ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート

2020.07.16

ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート

回想録なんてエラそうに書いているがあらかじめ言ってしまうと、出演団体として制作に関わりこそしているものの、浜響は裏方の仕事だけ見れば、正直それほど大したことはしていない。

そのくせアキラさんの演奏会などには行かせてもらって、裏方は遊んでいただけではないか、とお叱りを受けるかもしれない。
当たらずとも遠からずではあるが、それは市民オペラが浜響主催ではないからである。

これが主催事業となると、話は180度変わってくる。

当時、毎年7月下旬に、浜松信用金庫(現 浜松いわた信用金庫)、浜松市文化振興財団と浜響の三者共催で、「はましんファミリーコンサート」を開催していた。名前の通り、家族みんなで楽しめる内容の演奏会だ。団では「はましんコンサート」と呼んでいた。
(現在は『夢に追いかぜコンサートin浜松』という名前で続けられている。残念ながら今年の開催は新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止となった)

これがちょうどオペラ公演の1か月前ということで、市民オペラがある年の恒例として、はましんコンサートがオペラの「プレ公演」の位置づけにもなっていた。
「じゃあその企画運営も当然裏方の仕事ね」となり、なぜか筆者が実行委員長まで引き受けることになってしまったからさあ大変。こちらは自分でゼロからすべてを作り上げなければならないのだ。
しかも今回は、はましんコンサート10周年という記念の回でもあった。

まずはプログラム案を考えるのが、最初の大仕事だった。
コンサートの企画を始めた当時、オペラの作曲自体はほぼできていたものの、オーケストラ譜はもちろんまだ一枚もない。でも、<オペラ>というお題は外せない。なおかつ<ファミリー>で<10周年>である。この三題噺をどう作り上げたらいいのか。

そもそも普通のアマチュアオケが、アキラさんに指揮をお願いできる機会は滅多にない。
アキラさんに指揮をしていただくなら、全編宮川家のコンサートにしたい。
やはりここは、ポップスコンサートに<オペラ>を組み込む形にしよう、タイトルも「浜響POPS!」とすぐに決まった。宮川家の曲なら、<ファミリー>の市民にも人気があるし、これまでポップスオーケストラで演奏したことのある団員もたくさんいる。

市民の地道な交流活動というものは、こういうところで実を結ぶのだ。

アキラさんとの協議の結果、まずはアキラさんの曲の中でも耳になじみがあって楽しい曲で気分を盛り上げた後、新作オペラ「ブラック・ジャック」コーナーと「宇宙戦艦ヤマト」で泰・彬良の宮川家二大巨匠が双璧をなしてクライマックスを迎えるという、壮大なプログラム案が出来上がった。
華やかで、<10周年>にもふさわしいプログラムではないだろうか(自画自賛)。

・・・肝心の「ブラック・ジャック」コーナーは、まだ完全に白紙状態のままだったが。

本格的に浜響がオペラに関わり始めたのは、実際にはここからである。

(つづく)

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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。

  連載 『 ブラック・ジャック回想録 』

▶ 1. ブラック・ジャック回想録  序章 (2020.06.14)

▶ 2. ブラック・ジャック回想録  第1章 立役者 (2020.06.27)

▶ 3. ブラック・ジャック回想録  第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)

▶ 4. ブラック・ジャック回想録  第3章 はましんコンサート (2020.07.16)

▶ 5. ブラック・ジャック回想録  第4章 Point of No Return (2020.07.28)