新「浜松市」誕生記念 ふるさとコンサート


2005_kids_long
指揮: 三河正典
出演:仲道郁代(ピアノ), 牧野正人(バリトン), 須川展也(サクソフォン), 椙山久美(ヴァイオリン), 小杉結(ヴァイオリン)
合唱: ふるさと児童合唱団
合唱指導: 古橋富士雄
構成: ひのまどか
司会: 瀧川鯉昇
曲目:
グリーグ ピアノ協奏曲イ短調
ブラームス ヴァイオリン協奏曲二長調より 2楽章
サラサーテ カルメン幻想曲より
ララ グラナダ 他
ヴェルディ 「プロバンスの海と陸」(椿姫) 他
三善 晃 編曲 唱歌の四季

ふるさとコンサート、10ヶ月の軌跡をたどる
チェロ 久米明子(ふるさとコンサート実行委員長/制作部会長)
 「パート持ち回りで、今度のふるさとコンサートの実行委員はチェロパートになりました」 と宣告されたのは、去年の11月、浜響第57回定期演奏会の頃でした。
 私たちチェロパートの間では、いえおそらく浜響の誰もが、 この時点でこう思っていたでしょう。「もう会場もソリストも決まっているのだし、 定期演奏会の実行委員より楽だよね~」・・・
 後に、これが浜響史上稀に見る超大規模コンサートになるとは、 一体誰が想像できたでしょうか。

   今回は、いろいろと新しいことが重なりました。まず、指揮者は浜響と初共演となる、 三河先生。それから、浜響のお仕事を担当している専門委員のみなさんの役員改選。 私自身も、実行委員長なんて初めての経験。
 しかも、浜松市にとっても初めての「12市町村の大合併」を記念するコンサートです。
もう誰も一寸先も見えない状態からの、スタートとなりました。

 2004年12月、仲道郁代さんをお迎えして第1回目の準備委員会を開き、そこでコンサートの 柱となる基本コンセプトを決めました。
 1.普段あまりクラシックのコンサートに来ないような方が楽しめること
 2.新浜松市内全域から子供たちを集めて合唱団を結成し、浜響と共演する
 3.演奏者も観客も一緒になって参加できること
これがもとになり、あの大イベントが完成したわけです。

 実行委員チェロパートの最初の仕事は、プログラムを決めることでした。 上記のコンセプトにしたがって、できるだけ親しみやすい内容にするには どうしたらいいか、連夜飲みながら(?)、みんなで悩みました。 コンサートの限られた時間の中で、ソリストの希望・内容・構成を天秤に掛けながら、 いろいろな人に意見を聞いたりしながら、はたまた関係者で意見を戦わせながら、 練りに練ってようやくプログラムが決まった頃には、とうに年も明けて初夏になっていました。
 それから、「ふるさと児童合唱団」への参加呼びかけ、楽譜の手配などで、 チェロパートは走り回りました。夏になって各地で合唱団の練習も始まり、 8月7日に合唱団全員が顔を揃えたときは、感慨深かったものです。古橋先生のご指導で ぐんぐん上手になっていく子供たちの歌う姿を見ながら「これはきっと良い演奏会になるに 違いない」と、そこにいた誰もが確信しました。同じ頃浜響でも、コンサートに向けての 練習をスタートさせました。

 このコンサートで指揮者と浜響団員を困らせたのは、とにかく曲数が多いこと。 通常の定期演奏会では、ソリストは大抵一人、演奏する曲も3曲程度です。 5人ものソリストと、300人の児童合唱団と、10曲以上を一つのコンサートで 一度に演奏するなど、普通「ありえない」ことなのです。
 コンサート後の打ち上げで、三河先生に感想を伺ったところ、開口一番に おっしゃったことは、「忙しかったですね~!」でした。先生、初共演でこんな大変な思いを させてしまい、申し訳ありませんでした。

 浜響にとって、ふるさと児童合唱団、そしてほとんどのソリストとは、コンサート前日、 9月18日からの顔合わせとなり、リハーサルは6時間にもおよぶハードなものでした。 もうこの時には舞台も、演出も、演奏も、進行も、すでに実行委員の手を離れて動いていて、 チェロパートは演奏に集中することができました。出演者の全員の気持ちが次第に まとまっていくのを感じ、実行委員長として初めて、安心できたのでした。

 販売が伸びず心配していたチケットも、前日までにほぼ完売、9月19日の本番前には、 ホールの前に長蛇の列ができました。開演時には、ホールは満席になっていました。
 「わたしのふるさと」から、「あたらしいまちへ」。落語家の瀧川鯉昇さんの 楽しいトークによる司会、それぞれがとても個性的なソリストたちの素晴らしい演奏(演技!) とふるさとのお話、そして児童合唱団の子供たちの澄んだ歌声に、お客様だけでなく 私たち浜響団員も、酔いしれました。
 最後に、ソリスト全員とふるさと児童合唱団、そして会場のお客様が一緒になって、 「ふるさと」を歌いました。2000人を超えるお客様からの割れんばかりの拍手。 最後は感動で涙が出そうでした。

 演奏会終了後、ふるさと児童合唱団の解団式が行われましたが、参加した子供たちからは、 「他の合唱団と一緒に歌えてとても良かった」「オーケストラをバックに歌えたのは 貴重な体験だった」「ホールもコンサートも大きくてとても感動した」といった 感想が寄せられました。
 子供たちが、「このコンサートに参加して良かった」と思ってもらいたい、というのが、 私たち制作部会の一番の願いでしたので、この子供たちの感想は、私たちにとっては 何よりも嬉しいものでした。
 遠くから集まってくれた皆さん、難しい曲で練習も大変だったと思いますが、 みんな本当によく頑張りました。素晴らしい歌を、どうもありがとう!

 浜松市文化政策課の方が、アンケートの集計をしてくださったところ、 お客様の評判もとても良かったそうです。10ヶ月頑張ってきたことが、ようやく 報われた思いでした。

 出演してくださった皆さん、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
2005_kids合唱写真(クリックすると拡大します) 
2005_makino牧野さん(クリックすると拡大します) 
2005_sugawa須川さん(クリックすると拡大します) 
2005_kosugiyui小杉さん(クリックすると拡大します) 
2005_risho合唱指揮古橋先生と鯉昇さん(クリックすると拡大します)

 演奏会開催前のコンサート制作部会長ご挨拶文
『新「浜松市」誕生記念 ふるさとコンサート』~チェロパートの大いなる挑戦!~
チェロ 久米明子(ふるさとコンサート制作部会長)
 7月1日の合併以降、市内各地で新市誕生記念イベントが行われていますが、 9月19日(月・祝)には、いよいよ浜響が、満を持して登場します。 それが、「ふるさとコンサート」です。
 仲道郁代さんをはじめ浜松出身の著名な演奏家の方々、 合併した12市町村の子供たちが、一同に集まる大変大掛かりなステージです。 浜響では最近、各演奏会の実行委員をパート持ち回りで行っており、 今回はチェロパートが、この大イベントの制作という重責を担っています。
 昨年末、担当に決まったチェロパートに与えられたのは、9月19日のアクト大ホールと、 出演ソリスト、これだけでした。以後、パート内で役割を決め、 コンサートの内容や曲目について、ソリストとも相談しながら、みんなで検討しました。 また、共催の浜松市と文化振興財団の方々とも「制作部会」という形で、 毎月1回は必ず顔を合わせ、重要な事項を決定していきました。 今ではメンバーもすっかり顔なじみです。
 今回最大の目玉、「ふるさと児童合唱団」の結成は、制作部会として最も苦労した点です。 まずは、各地の児童合唱団に出演を依頼し、合唱団のない地域には、直接現地へ出向いて、 各方面の方に子供たちの出演について、協力をお願いしました。 その甲斐あって、現在、市内各地から、280名を越す子供たちの出演が決まっています。 合唱の練習については、各合唱団の先生方に多大なご協力をいただいています。 先日は、初めて子供たち全員を集めて練習を行い、その様子が新聞にも掲載されました。
 チェロパートはじめ制作部会、ほか多くの関係者の想いが、 いよいよ実現されようとしています。集まったすべての人の思い出に残る、 すばらしいコンサートになりますように。



■主催:浜松市・浜松市教育委員会, (財)浜松市文化振興財団, (財)浜松交響楽団 ■後援:静岡新聞社・静岡放送, 中日新聞東海本社,NHK浜松支局, K-MIX,FM Haro!, テレビはままつ ふじのくに文化交流・発信事業,財団法人静岡県文化財団助成事業