ブラック・ジャック回想録 最終章 新たな夢へ

2020.10.15

ブラック・ジャック回想録 最終章 新たな夢へ

「・・・高くつくぜ!」
フィナーレ、ブラック・ジャックの叫ぶ声がホールいっぱいに響き渡る。
約3時間の長大なオペラ作品が、ついに幕を下ろした。

#オペラの内容についてはこちらから:https://www.hcf.or.jp/bunka/citizen_opera/story/

カーテンコールのあいだも、満員の客席から割れんばかりの拍手が続く。
オーケストラピットの椅子から立ち上がった時、上を覗き込むとようやく少し舞台の上の歌手たちの様子を見ることができた。みんなの晴れ晴れした笑顔が、最高に素晴らしかったのを覚えている。

何しろ、世界初演である。
本番直前まで、そして本番中も、事故なく最後まで行きつけるのか、誰もが不安だった。
一番不安だったのは、アキラさんだったかもしれないけれど。
それでも「きっとうまくいくから大丈夫!」と裏方メンバーから発信していくことで、団員それぞれが本番に踏み出す勇気が持てたと信じている。
出演者そして裏方を支えた制作スタッフ全員の、健闘を称えたい。

改めて5年前を振り返ると確かにいろいろ忘れてしまっていたが、この本番が終わった時の感動だけは今でも思い出せるし、これからもきっと忘れないだろう。

アキラさんと新作オペラを作る、しかもあの漫画「ブラック・ジャック」をオペラにするという、こんなブッ飛んだ企画に参加する機会を与えてくれた村木氏に、心から感謝したい。

公演後の打ち上げで、アキラさんはこう言っていた。
“いつか「ブラック・ジャック」をミラノ・スカラ座で上演しよう!”と。

その時、我々はどこにいるか。
それは誰にも分からない。

漫画「ブラック・ジャック」には、まだオペラにしていないストーリーも山ほどある。
村木氏にも、また新たな「ブラック・ジャック」オペラ制作の夢があるらしい。
あれだけ大変な苦労をしたはずなのに、この男はまったく懲りていないようだ。そこが村木氏のすばらしいところである。
本当に、いつか実現できたらと思う。
その時は、また一緒に仕事しましょう。

コロナ禍の中、暗いニュースばかりでなかなか前を向けずに過ごした数か月。
でも、5年前を振り返ってみて、ようやく思い出した。
オペラ制作を通してたくさんの素晴らしい方々と出会えたこと。
そして何より、音楽をみんなで作り上げるって、こんなにワクワクして楽しいものだったということ。

世の中も少しずつ、また活気を取り戻しつつある。浜響も感染対策を万全に整えて、ついに本格的に練習を再開した。実に半年ぶりの合奏である。
今まで当たり前に行っていた合奏練習が、できるというだけでありがたいことなのだと、団員みんなが噛みしめている。
次の目標は、来月の定期演奏会を何とか無事開催し、成功させることだ。

まだ我々がコロナ禍のただ中にいることに変わりはない。この冬がどうなるかすら分からない。それでも我々は、この「新しい日常」を受け入れ、前を向いて進むことに決めた。

あのしんどいけど楽しくて熱い音楽の世界に、少しずつ帰っていこうと思う。
いつかアキラさんとまた一緒に演奏できる日を楽しみに。。。

長らくお付き合い下さり、ありがとうございました。

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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。

  連載 『 ブラック・ジャック回想録 』

▶ 1. ブラック・ジャック回想録  序章 (2020.06.14)

▶ 2. ブラック・ジャック回想録  第1章 立役者 (2020.06.27)

▶ 3. ブラック・ジャック回想録  第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)

▶ 4. ブラック・ジャック回想録  第3章 はましんコンサート (2020.07.16)

▶ 5. ブラック・ジャック回想録  第4章 Point of No Return (2020.07.28)

▶ 6. ブラック・ジャック回想録  第5章 奈落の底から (2020.08.19)

▶ 7. ブラック・ジャック回想録  第6章 歌合せ  (2020.08.29)

▶ 8. ブラック・ジャック回想録  最終章 新たな夢へ  (2020.10.15)

2020.09.27

ベト7 マラソン大会!

今日は、アクト大ホールステージをお借りしての日曜ベト7の特別練習でした。

まずは、2時間ほど、みっちりしつこく細かく練習。

その後、ビデオ撮影も兼ねながらの全楽章の通し練習。
リピート全アリ、持てる力を出し切りました!!

これで終わりかと思ったら、、、
さらに4楽章もう一回!
全力で弾いてる感だして。と言われて本当に全力で疾走!(リピート全アリ)

ほぼ全員、ヨロヨロになり、もうこれで、さすがに終わりかと思ったら、、、
さらに二楽章もう一回!!もっと楽しそうに弾いてと言われて、全力で楽しそうに?演奏しました。

4時間耐久ベト7練のゴールは遠かったです。

本番まであと2か月。筋トレ必要です。

2020.09.23

のだめ、静岡県でも9/28から再放送!

関東圏では9/9から再放送されているドラマ「のだめカンタービレ」、
静岡県では放送がないと悲しんでいたら…
9/28からテレビ静岡で再放送決定!
※(月)~(木)14:45-15:45とのことですが、番組表でお確かめください。

このドラマやマンガの中で使われた曲を生演奏で聴ける、のだめカンタービレの演奏会、今でも各地で開催されています。
アクトシティ浜松でも2010年1月8日に開催されました。
マングースも来ました!
10年前、懐かしいです。

そして、
今回浜響が演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、2016年に読み切りマンガで取り上げられました。

11月29日に生演奏できますように!

2020.09.13

浜響、半年ぶりにアクトに帰ってきました!

9月9日水曜日、アクトのステージでの練習でした。
(静岡新聞で大きく取り上げてくださいました。)

3月の演奏会は突然の中止で、ここに来ることはできませんでした。
それ以来、5回もの演奏会が中止や延期となりました。

活動休止中も、感染対策や練習の進め方など、何度も何度も議論を重ね、下見や調査や準備を進め、まずは、本番を想定したこの日のステージ練習を第一の目標にしてきました。

海老原先生やソリスト今西さんをお迎えし、多くの団員も出席できました。
海老原先生の熱血ベートーベンの音楽が流れ始めた時には、冬眠のクマが目覚めるみたいに急に血が騒ぎ始めました。

すっかり忘れていましたが、やっぱり生の音楽っていいですね。
そしてみんなで演奏することができるって最高です!

11月29日の本番で、またここに帰ってこられますように。。。

2020.09.11

9/9練習が静岡新聞に掲載されました!

 

9/9の練習の様子が静岡新聞に掲載されました!

2020.09.08

のだめ、9/9から再放送!

今回の浜響はベートーヴェンの交響楽団第7番、略してベト7(ベトシチ・関西ではベー7)を演奏します。
この曲の一部がオープニングとして使われたドラマ「のだめカンタービレ」が再放送決定!!
https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/20200686.html
この漫画とドラマのおかげで、このベト7や、オーケストラの世界がとっても身近になり、楽器を始める人も増えたとかなんとか、、、
9/9の放送開始日は、ちょうど海老原先生の初のtuttiの日!
わたしも、毎回楽しくみてましたが、細かいことは覚えてないので、予約して見ようと思ったら、違う番組が…??

ドラマ「のだめカンタービレ」再放送の放送地域は関東地方(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)のみとなっています。
その他の北海道地方、東北地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方では放送されません。

え…。
のだめ、お前もか…。(静岡は放送地域から外れることが多々あります)
ともあれ、
浜松ではドラマの再放送は見られませんが、オープニングの曲は11/29に演奏される予定です。
半年間、何度も中止が続き、何度ももう無理かなと思ってたのですが、台風も行ってしまったし、実現しそうで、ワクワクと超ドキドキです。

2020.08.30

激熱!会場下見

先週にひきつづき、練習会場の下見に行ってきました。
なぜか、昼の一番暑い時間に集合にしてしまい、温室状態の会館は激熱!

息も絶え絶えに、へろへろになりながら、なんとか下見を終え、
ふと見ると、キッチンカーに「氷」の旗が!

一仕事終え、炎天下で食べるかき氷は、人生で一番おいしかったです。

2020.08.29

ブラック・ジャック回想録 第6章 歌合わせ

我々がはましんコンサートに没頭していた頃、歌手の方々はどうしていたのか。
もちろん、彼らだって練習していた。・・・東京で。

「市民オペラ」といっても、出演者・制作スタッフ全員が浜松市民という訳ではない。
練習の度に全員が浜松に来るわけにはいかないので、練習場所は都内、ということになる。
村木氏の東京出張の回数は・・・想像するだけで卒倒しそうである。

音楽に地域の境界線は無い。
出演者・制作スタッフが「市民」であることにこだわるべきかどうかは、議論があるかもしれない。
しかし今回地域の枠を超えて集まった出演者・制作スタッフが一丸となったからこそ、この新作オペラ「ブラック・ジャック」は大きな成功を収めることができたのである。そして出演者あるいは聴衆として、市民はこの作品を享受できた。一流の音楽家・技術者たちと共演できたことは、出演した市民にとっても、素晴らしい経験となったに違いない。この経験が、市民の文化発信の原動力となっていく。
これこそ、「市民オペラ」の最大の成果と言えるのではないだろうか。

オペラ本公演1か月前、7月末にアキラさん渾身のオペラ「ブラック・ジャック」のスコアが、ついに完成した。スコアの総ページ数、約500ページ。ここに至るまでどれほどの苦労があったのか、我々には想像することすらできない。

主要キャストを浜松に呼んで、浜響がようやく合わせ練習ができた時には、本番まで一か月を切っていた。

オペラ演奏では、オケが直接見ることができない舞台の上にいる歌手たちと、いかに呼吸を合わせられるかが重要となる。
歌手がどのように表現するのか、実際に見ながら演奏ができる合同練習の時に、そのタイミングを掴んでいくしかない。

アキラさんは、相手がアマチュアだからといって手を抜くようなことは決してしない。
だからこそオケも必死になって、アキラさんの熱意に応えようとする。

本番までに歌合わせができる日は数日しかないので、練習は休日を使って朝から夜まで、丸一日の集中練習となった。
合わせ練習をしていく中で、出演者の提案から歌詞や演出が変わることもある。
新作オペラは、出演者全員で作り上げていくものなのだと実感した。我々もオケとはいえ、このオペラの「オリジナルキャスト」なのだ。

本番が近づき、オペラ関係者とのコンタクトが増えてくるにつれて、裏方メンバーは浜響窓口として、オケとオペラ制作サイドの間の調整で忙しくなっていく。

舞台監督など制作スタッフ全員がオペラ公演本番の舞台であるアクトシティに初めて集合したのが、本番の1週間前。
そこから舞台の仕込みを行い、いよいよホールでの練習がスタート。
とはいえアマチュアの浜響は、1週間ホールに缶詰めになるわけにはいかないので、通常練習日の水曜日と、直前の金曜日の夜から本番にかけての練習参加となった。

本番は目前。
あとは腹を括って本公演に臨むのみだ。

(つづく)

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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。

  連載 『 ブラック・ジャック回想録 』

▶ 1. ブラック・ジャック回想録  序章 (2020.06.14)

▶ 2. ブラック・ジャック回想録  第1章 立役者 (2020.06.27)

▶ 3. ブラック・ジャック回想録  第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)

▶ 4. ブラック・ジャック回想録  第3章 はましんコンサート (2020.07.16)

▶ 5. ブラック・ジャック回想録  第4章 Point of No Return (2020.07.28)

▶ 6. ブラック・ジャック回想録  第5章 奈落の底から (2020.08.19)

▶ 7. ブラック・ジャック回想録  第6章 歌合せ  (2020.08.29)

▶ 8. ブラック・ジャック回想録  最終章 新たな夢へ  (2020.10.15)

2020.08.23

お盆明け練習再開!

7月末のアンサンブル研修会中止以来、3週間ほど練習が中止になりましたが、お盆休み明けから、いよいよ浜響も活動を再開し始めました。
まずはやれる対策感染は行いながらの練習再開。なかなか戸惑うことも多かったです。
そして、この日は、本番会場となるアクトを下見してきました。
本当に、かっこいいですね!この舞台。
3月は中止となりここに入れなかったので、ひときわ感慨深かったです。
11月29日、またここに来られますように、、、

2020.08.19

ブラック・ジャック回想録 第5章 奈落の底から

はましんコンサートは、おかげさまで満員御礼の大盛況に終わった。
懸案のオペラコーナーに関しても、ソリストや合唱団にも入っていただいて、本公演への期待を高めるものになったと思っている。

アマチュアながら、これだけの演奏会を短期間の練習で仕上げて開催できたこと。
これぞ浜響の底力!と言えるであろう。

アクトシティ中ホールで初披露を終えた我々は、いよいよ本公演の行われる大ホールに舞台を移すことになる。

アクトシティ大ホールの舞台の下には、「奈落」と呼ばれる広大な空間が広がっているのをご存知だろうか。
反響板を置いた状態なら大ホールは一見普通のホールだが、実はあのステージごと上下左右に動かせたり、回転させたり、すごい仕組みが満載のハイテク劇場なのである。こういった舞台機構を使用するにあたり、奈落が大きな役割を果たしている。

オペラ本公演では、オケは「オーケストラピット」いわゆる「オケピ」で演奏する。
地盤崩落で陥没した道路のように、客席の一番前あたりが大きな穴となってへこみ、奈落の中にステージが出来上がる。
オケはその真っ暗な穴の中に潜りこむのである。

穴の周囲は板で囲いをするため、本番中は、オケは聴衆の目に入らないようになっている(幕間には中を覗きに来る人が必ずいて、板囲いの上から覗かれるとまるで動物園のサルになった気分だ)。

舞台上で演奏するのと違い、オーケストラピットは狭い。
演奏者が全員入ればまさに今でいう「三密」そのものである。本番中は舞台を明るくするためピット内は真っ暗、楽譜が見えないので譜面灯のみがオケの灯りとなる。

キラキラと照明を浴びて、舞台の上で華やかに歌い踊る歌手たちと、片や真っ暗な奈落で演奏するオケ。これが世界初演の新作オペラともなれば、文字通り「板子一枚下は地獄」である。

陥没した穴の中でしかも舞台に背中を向けているので、オケからは舞台の上はほぼ見えない。どんなに美しい音楽で舞台を盛り上げても、どんなに舞台の上が気になっても、その目で直接その情景を見ることはできないというのが、オケの悲しい宿命だ。

あとで公演のDVD等を観て初めて、「なんと、上はこんなことになっていたのか!」と驚くのである。

(つづく)

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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。

  連載 『 ブラック・ジャック回想録 』

▶ 1. ブラック・ジャック回想録  序章 (2020.06.14)

▶ 2. ブラック・ジャック回想録  第1章 立役者 (2020.06.27)

▶ 3. ブラック・ジャック回想録  第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)

▶ 4. ブラック・ジャック回想録  第3章 はましんコンサート (2020.07.16)

▶ 5. ブラック・ジャック回想録  第4章 Point of No Return (2020.07.28)

▶ 6. ブラック・ジャック回想録  第5章 奈落の底から (2020.08.19)

▶ 7. ブラック・ジャック回想録  第6章 歌合せ  (2020.08.29)

▶ 8. ブラック・ジャック回想録  最終章 新たな夢へ  (2020.10.15)