2024.11.21
昔は4番だったし、名前も「イギリス」だった。
今ではドボ8と呼ばれることの多いDvorak作曲の交響曲8番ですが、私が子供の頃(50年ちょい前)は違ってました。
当時買ったLPには、ドヴォルザーク交響曲4(8)番「イギリス」と明記されていました。
ドヴォルザークは生前5曲の交響曲しか出版しませんでした。先に作曲した4曲は自身でお蔵入りにしてしまったのです。
死後に発見されて60年代には9曲のラインナップは次第に浸透し、混乱をさけるために旧番と新番を併記していました。
また彼の作品のメインの出版社のジムロックはかなり「やりたい放題」だったようで、好き勝手に作品番号を割り振ったりしていたために、怒ったドヴォルザークはこの曲はイギリスの出版社を使いました。
そのため付いたあだ名が「イギリス」でした。
随分な理由での命名のため、番号が8番にほぼ統一されたころには、あだ名も消えたようです。
(ですので私が中学生の頃は「新世界より」交響曲は5(9)番でした。当時は意味が良く判らず怪しく感じていました。)
同じような話はシューベルトでありますが、こっちは案外最近です。
昔「未完成」は8番、「グレイト」は9番でした。今では7番と8番です。変わったばかりはびっくりしました。
NHKが間違えてるじゃん!などと思いましたが、そうか「グレイト」も以前は7番で、そのうちに9番になって、今やっと8番になったんだと理解しました。
スケッチだけの交響曲を数に入れる前は7番だったのが、数に入れるようになって9番、だけどやっぱ外すことになり8番。
ヴィラ=ロボスなんかも交響曲は10番まであるけど「勝利の交響曲」は楽譜が残っていないため、交響曲全集には9曲しか入っていません。この辺りも数年後には番号が繰り下がるのかもしれません。
(となるとヴィラ=ロボスも交響曲を9曲書いて死んでしまう9曲連盟の一員になるのかもしれないですね。
主要メンバーはベートーヴェン、(以前はシューベルトも一員)ドヴォルザーク、マーラー、ボーン=ウイリアムスらです。
ヴィラ=ロボスも晴れて仲間になる日が来るかもしれません。閑話休題)
できればハイドンやモーツァルトの交響曲番号は変わって欲しくないですね。ハイドンは2曲、モーツァルトは数えきれないほど交響曲が追加で見つかっています。「ロンドン」が106番、「ジュピター」が48番とかにはなって欲しくありません。
いかに生々流転とはいえ限度があると思います。
ちなみに中学生の時に2枚目に買ったLPがドボ8でした。当時はコントラバスを弾いていましたので、こんなにチェロが美味しい曲だとは判ってませんでした。シルヴェストリ指揮ロンドン・フィルのほんわかしたお気に入りの一枚でした。
浜松交響楽団でも何回目かのドボ8ですが、歴代一番の演奏になるように精進したいと思っています。(TK)