ハロルド登場!

2022.11.24

ハロルド登場!

今回のメインプログラム「イタリアのハロルド」は、ヴィオラ*独奏付きという珍しい交響曲。
曲全体を通じてヴィオラ独奏が主人公のハロルドを演じる。これまではハロルド不在で練習してきたが、今日ついに、その主人公ハロルドが練習に姿を現した。

その男の名は、「やす」こと、鈴木康浩(読売日本交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者)。

いつもニコニコ、優しくて気さくな雰囲気、というのが、やすの第一印象だった。
だが一度ヴィオラを手にすれば、そのふんわりしたイメージからは想像できないような、時に勇ましく朗々と、また時に繊細に、美しい音色を紡ぎだす。その姿は、本当に格好良い。
普段オケではあまり目立たない存在の楽器だが、彼の音は「ああヴィオラって、こんなに素敵な音色なんだな」と、聴く者を惹きつけ虜にしてしまう。

彼にとっても、ハロルドの演奏はなんとまだ今回で2度目だという。
「ヴィオラは協奏曲などもあまりなく、ハロルドは好きな曲だけどプロオケでも滅多に演奏する機会が無いので、今回依頼をいただいてラッキーと思いました」
ヴィオラ弾きにとっては、やはり一度は弾いてみたい曲らしい。この曲の聴きどころについて、やすはこう語る。
「ハロルドを演じるヴィオラ独奏と、その他の登場人物や背景を演じるオーケストラとが交わりながら一緒に物語を作っている作品なので、一つの物語として聴いてもらえたら」

浜松には、浜松国際ピアノコンクール第3次予選の室内楽演奏などでこれまでも訪れる機会があり、浜松の餃子やうなぎも大好きとのこと。いつか機会があれば、お酒を片手においしいものを食べながら、もっといろいろお話してみたい。そんな魅力たっぷりのやすと共に浜響がどんなハロルドの物語をお届けできるか、今から本番が待ち遠しい。

※バイオリンより少し大きめの弦楽器。バイオリンなどのメロディーに隠れがちだが、実はヴィオラにこそ、その作曲家の意図が隠されているという(やす談)。今後の演奏会もヴィオラに注目してみると、新たな発見があるかも。

(やすさん、取材へのご協力、ありがとうございました!)
Vc AK