怪獣映画の思い出

2025.03.06

怪獣映画の思い出

3/5の練習は鈴木竜哉先生による伊福部昭のシンフォニア・タプカーラとドボルザークのチェロ協奏曲の練習でした。色々な先生のご指導を受けることで音楽の幅が広がり深まって行きます。

話が変わって文体も変わります。

伊福部昭のシンフォニア・タプカーラは1954年の作品で同氏が音楽を担当したゴジラも同年の公開である。私は1964年のモスラ対ゴジラから1971年のゴジラ対ヘドラまでの期間に公開された怪獣映画の全てをリアルタイムで見た。
当時の映画館は観客の入替が無かったので、朝から晩まで兄と一緒に3回見るのが普通だった。東宝の怪獣映画は若大将シリーズと同時上映が多かったので、すっかり覚えてしまった加山雄三の劇中歌や怪獣のライト・モチーフを歌いながら家に帰ったものである。ビデオなど無かった時代なので、印象に残ったシーンやセリフを漫画で描いて小冊子を作り、音楽を歌いながら読み返すのが昭和の少年の楽しみであった。
ゴジラは水爆実験によって蘇った恐竜という設定で「核の恐怖の象徴」とも言われている。その頃は深く考えなかったが、怪獣がひたすら怖い存在からいつしか子供や人類の味方になり公害問題と戦うようになって(ヘドラは公害のヘドロから生まれた怪獣)私の興味はいつしか怪獣から離れてしまった。それから半世紀、シン・ゴジラやゴジラ-1.0では怪獣が理不尽な恐怖として描かれ、現代も生き続ける伊福部音楽とともに久々に興味深く見ることが出来た。
伊福部先生は自ら考案した旋法で怪獣音楽を作曲していたと聞いたことがあるが、怪獣旋法で検索してもヒットは無い。それでも私がタプカーラの1楽章中間部のGrandiosoで怪獣が出て来そうと感じるのは類似した旋法が用いられているからかも知れない。
FL A.A