2025.02.27
30年も前のこと ドボコンの思い出
もう30年も前のことになってしまいましたが、東京にヨーヨーマを聴きに行きました。
井上道義指揮の東京フィル(多分)でドヴォルザークの協奏曲を3曲(VcとVnとPf)というプログラム。
VnはともかくPfの協奏曲は滅多に演奏されない、聞いてみたら確かにあまり演奏されないような曲だった。
そこでヨーヨーマはドボコンを弾いてくれてました。
なにに驚いたかというと、チェロのソロが始まって、トリルが終わって110小節から。
曲はVivoになって16分音符の早い下降音型のパッセージになります。
ヨーヨーマは速い速い!たちまちオーケストラを追い越してひとくさり弾くと、オケが追いつくのを待ってました。
112小節からは、オケといっしょに次を弾き始めました。
多分1拍以上は速かったと記憶しています。
井上氏は落ち着いて振っていましたが、さすがに唖然としたようですが、おくびにも出さずに冷静に振ってました。
そこ以外は速いところは徹底的に速いのですが、手堅く才気あふれる演奏でした。
(ヨーヨーマはそのさらに10年以上前にザルツブルク音楽祭でデビューしました。
小澤征爾指揮ウィーンフィルでハイドンの1番の協奏曲!のっけの音符が半拍以上短く、そのまま突っ込んで行きました。さすがの小澤征爾VPOでしたが、少し乱れました!
その乱れが何ともすごく印象的であっという間にファンになってしまいました。)
浜響では40年以上前にVPO(ウィーンフィル)のスコチッチさんと共演しました。メインはドボ8で第3楽章のチェロのメロディーの弓順がなかなか決まらず、「VPOに聞いてください。」などと指揮者からダメ出しくらってしまいました。
ちょうどスコチッチさんが来日していて静岡の以前入っていたアンサンブルと共演する練習があると聞きつけました。
せっかくなので静岡まで練習を聴きに行きました。
そこでよせば良いのにずうずうしくドボ8の弓順をスコチッチさんに教えてもらいました。
ドボコンの本番は実に清々しく若々しく前向きなソロの演奏に感動しました!
ドボ8も教えてもらった弓順で弾きました。でも感動を呼ぶ演奏にはならなかったと記憶しています。
この前のドボ8にはとても比べられる演奏ではなかったですね。今はオケとして何段階も向上していると思います。
それから10年?ほどして今度は藤原真理さんと共演でした。
ガツーンと来るようなすごい192小節のアウフタクトの音が忘れられません。今でもあの音が頭にこびりついています。
誰でも忘れられない音の思い出をお持ちだと思います.
私の場合は藤原さんのC線のAのアウフタクトの音がまさにそれでした。(TK)