CDが聴けないクルマが増えた・・・

2025.11.06

CDが聴けないクルマが増えた・・・

ショスタコーヴィッチの交響曲12番の練習も佳境に近付いてきました。

毎回変わる指揮者の方たちの仰ることも随分とベクトルが合っているので、すごいなと思います。

べたなロシア風にはビブラートの入ったラッパと最後まで抜けない羊羹のようなテヌートで、案外それっぽくなるかもしれません。

でもそういう演奏をしたい訳じゃなくて、そっちに心は傾いているけどあくまでドイツ風で真っ赤ではない音楽がしたいのです。

ショスタコーヴィッチの証言という怪しい本を読んだことがあるけど、かなり作曲家に身辺に危険が迫る内容でした。

内容は体制に対するネガティブな気持ちが赤裸々に書かれていた記憶があります。

家族をひたすら大切にしていた作曲者だけど、交響曲13番などは相当に危ないことをしていた。

なのでこういう本を書いてもおかしくはないと思っていたが、どうやらでっちあげ本というのが真相みたい。

だからロシア風な演奏も良いけど、作曲者は真っ赤なもろにロシアな演奏を望んではいなかったと想像します。

(かつてバーンスタインが交響曲5番をNYフィルを振った腰の軽い演奏に感激して、作曲者が舞台に行って指揮者をハグしました。

人を食ったような演奏が嬉しかったようです。その話を聞いてCDを買ったら、本当に腰の軽い演奏で少し拍子抜けしました。)

ベクトルは合っているので演奏者側に支障は無いけど、個性は立っていて大変に面白く練習ができます。

それぞれの指揮者の方たちと本番してみたい気持ちになりました。

12番は拍子の変化が多くと唐突で最初は戸惑いも多かったけれど、慣れると変拍子が快感になってきました。

良く知らない頃は後期の交響曲の中ではやり易そうな曲と何となく感じていました。

というのもCDの全集で聴いていたので11番と13番の間で聴いたので、当時は案外シンプルな曲という印象でした。

やってみるとトンデモないことで、大変に大変な曲でした。

すごく速い本番になるんじゃないか?と少し心配してますが、期待半分です。

21世紀の少し前からCDを多く買うようになりました。最初はショスタコーヴィッチの交響曲全集でした。

ルドルフ・パルシャイ指揮のケルンですが、このCDを買ったきっかけは、某新聞の夕刊の文化欄でした。

吉田秀和さんがこの演奏を褒めていて、最後に「驚くことにこの全集は2000円くらいで買えます。」と書かれていたのです。

確かにとても演奏も良くベタなロシア風ではなく、とはいえ背広きているようなシュンとした演奏ではありませんでした。

これに味をしめて予算月5000円で毎月10~20枚のCDを買い込んでいました。当時は通勤と遠い工場への通いで車内で聴きました。

今でも自動車はCDを聴くための空間と思っていますが、この頃の新車はCD聴けないクルマばかりのようですね・・・・

今のクルマを最後まで乗り続けようと思っています。

Vc TK