木管セクション

2015.09.26

木管セクション

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オーケストラは、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器で構成されています。
弦楽器は、弦を弓でこするか、もしくは指で弦をはじくという方法で音を出します。金管楽器はマウスピースとよばれる金属でできたお椀のような形をしたものに口を当て、唇を震わせて音を出します。弦楽器も金管楽器も、セクションの中では音を出すやり方が共通しているので、楽器の大きさなどの違いはありますが、音を合わせやすいのが長所で、アンサンブル(合奏のこと)にも適しています。
そして、木管セクションは、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットの4種の楽器で構成されているのですが、この4種はそれぞれ音の出し方が異なっています。フルートは、穴に息を吹き入れて、クラリネットは一枚のリードを震わせて、オーボエとファゴットは2枚のリードを震わせて音を出します。音の出し方が違うので、音色にもかなり違いがあります。
となると、当然音を重ねていくアンサンブルがより難しくなるわけですが、オーケストラで演奏される曲のほとんどで、木管のアンサンブルが登場します。音色が違うものですから、きれいに合っているように聞かせるためには、音程のみならず、なるべく音色を近づけたり、響きを豊かにしたり、音量をコントロールしたりと、瞬間瞬間でその時必要なたくさんの作業を行わなければなりません。この時に必要なことは、「正しいこと」ではありません。正しい音程、正しい音量、正しい音色(そんなものがあればですが)ができたとしても、それだけでは合ったようには聞こえないのです。
音楽というのは本当に不思議なもので、アンサンブルを聞いているとその人たちの気持ちのありようが伝わってくることがよくあります。メンバー一人一人がそれぞれ正確さを求めることに熱中するあまり、まったく気持ちが通じていなように聞こえることもよくあるのです。それぞれ性格の違う音が一つのハーモニーとして聞こえるためには、お互いがよく聴き合い、思いやりをもって音を出さなければなりません。
浜響の木管メンバーはかなりベテランが多く、最長は創立から40年近く在籍しているメンバーがいるほどで、50回以上は演奏会をこなしてきたメンバーが半数以上を占めています。その間ずっと心を合わせて音を奏でてきたとは言えませんが、やはりこれだけの回数を一緒にこなしてきた仲間同士、それぞれの個性も把握しており、それなりに一人一人が思いやりをもって音を出すことに心を傾けるようになってきました。
そう、われわれ浜響木管セクションの強みはこの心のありようにあるのです。
もちろん、それぞれが加齢に負けず精進をすることがますます必要になってきますが、多分日本で一番一緒に演奏を経験してきた(大げさな!)このメンバーだからこそお聞かせできるハーモニーを、これからもずっとお届けしたいと思っています。