追悼

2019.07.03

追悼

6月25日、私たちは大切な仲間を一人、失いました。

チェロパートに在籍されていた関 貴志さん、享年59歳。

病気療養のため今年初めに浜響を退団されましたが、私たちにとってかけがえのない仲間であることに、変わりはありません。

関さんが入団するきっかけとなったのは、2014年に開催された「宮川彬良&ACT CITY POPS Orchestra」でご一緒した際、私が浜響にお誘いしたことでした。コンサート終了後すぐに、入団希望の旨のご連絡をいただき、私たちの仲間になってくれました。

あれから約5年。

もっと前からずっと一緒に演奏していた気がするけれど、実はまだ5年しか経っていなかったことに、少し驚いています。

もともとユーフォニアム・トロンボーン奏者で、チェロ弾きとしてはレイトスターターだった関さんにとって、浜響の練習は決して楽しいことばかりではなかったはずですが、そんなことは一切顔に出さず、いつもニコニコしてみんなを和ませてくれました。私もこれまで、関さんの笑顔にどれだけ助けられたか分かりません。

昨年の第85回定期演奏会の練習を進めていた頃に入院されてからも、治療を受けながらできる限りチェロを練習していたと聞いて、本当にチェロを、そして音楽を心から愛している方なのだと感じました。演奏会も何とか元気に出演できて、まさかこれが関さんとの最後の共演になるなんて、私たちの誰も思いもしなかったことでした。

関さんを失った悲しみから立ち直るには、まだもう少し時間がかかりそうです。

でも、関さんの愛した音楽を、より良い演奏をお客様にお届けするためにも、私たちは前を向いて進まなければなりません。

今度の演奏会は、関さんへの想いをこめて、演奏したいと思っています。

関さん、今まで本当にありがとうございました。どうかこれからも私たちを見守っていて下さい。

私たちも関さんのこと、ずっと忘れません。

昨年末、関さんから退団のご連絡をいただいた際の、メールの一文です。

「浜響の皆様、短い期間ではありましたが、私にとって一生の思い出になりました。本当にありがとうございました。」

関 貴志さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

チェロ 久米明子

(写真は、宮川彬良&ACT CITY POPS Orchestra出演者全員のサインボード。真ん中一番下に、関さんのサインもあります)