2020.08.23
お盆明け練習再開!
2020.08.19
ブラック・ジャック回想録 第5章 奈落の底から
はましんコンサートは、おかげさまで満員御礼の大盛況に終わった。
懸案のオペラコーナーに関しても、ソリストや合唱団にも入っていただいて、本公演への期待を高めるものになったと思っている。
アマチュアながら、これだけの演奏会を短期間の練習で仕上げて開催できたこと。
これぞ浜響の底力!と言えるであろう。
アクトシティ中ホールで初披露を終えた我々は、いよいよ本公演の行われる大ホールに舞台を移すことになる。
アクトシティ大ホールの舞台の下には、「奈落」と呼ばれる広大な空間が広がっているのをご存知だろうか。
反響板を置いた状態なら大ホールは一見普通のホールだが、実はあのステージごと上下左右に動かせたり、回転させたり、すごい仕組みが満載のハイテク劇場なのである。こういった舞台機構を使用するにあたり、奈落が大きな役割を果たしている。
オペラ本公演では、オケは「オーケストラピット」いわゆる「オケピ」で演奏する。
地盤崩落で陥没した道路のように、客席の一番前あたりが大きな穴となってへこみ、奈落の中にステージが出来上がる。
オケはその真っ暗な穴の中に潜りこむのである。
穴の周囲は板で囲いをするため、本番中は、オケは聴衆の目に入らないようになっている(幕間には中を覗きに来る人が必ずいて、板囲いの上から覗かれるとまるで動物園のサルになった気分だ)。
舞台上で演奏するのと違い、オーケストラピットは狭い。
演奏者が全員入ればまさに今でいう「三密」そのものである。本番中は舞台を明るくするためピット内は真っ暗、楽譜が見えないので譜面灯のみがオケの灯りとなる。
キラキラと照明を浴びて、舞台の上で華やかに歌い踊る歌手たちと、片や真っ暗な奈落で演奏するオケ。これが世界初演の新作オペラともなれば、文字通り「板子一枚下は地獄」である。
陥没した穴の中でしかも舞台に背中を向けているので、オケからは舞台の上はほぼ見えない。どんなに美しい音楽で舞台を盛り上げても、どんなに舞台の上が気になっても、その目で直接その情景を見ることはできないというのが、オケの悲しい宿命だ。
あとで公演のDVD等を観て初めて、「なんと、上はこんなことになっていたのか!」と驚くのである。
(つづく)
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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。
連載 『 ブラック・ジャック回想録 』
▶ 1. ブラック・ジャック回想録 序章 (2020.06.14)
▶ 2. ブラック・ジャック回想録 第1章 立役者 (2020.06.27)
▶ 3. ブラック・ジャック回想録 第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)
▶ 4. ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート (2020.07.16)
▶ 5. ブラック・ジャック回想録 第4章 Point of No Return (2020.07.28)
▶ 6. ブラック・ジャック回想録 第5章 奈落の底から (2020.08.19)
▶ 7. ブラック・ジャック回想録 第6章 歌合せ (2020.08.29)
▶ 8. ブラック・ジャック回想録 最終章 新たな夢へ (2020.10.15)
2020.08.12
いつも通りの夏
クラシック音楽と高校野球のファンです。
甲子園では選抜に出場予定だった32校を招いて行われる代替大会が開催中です。
優勝校を決めるのではなく勝っても負けても各校1試合のみ。大会名称も「2020高校野球交流試合」で選手達のモチベーションはどうなのか?無観客で華やかな応援も無し。果たして盛り上がるのか?開催前はそんな気持ちでいました。
でも初日から見ごたえのあるゲームばかりです。礼儀正しい挨拶から始まり、見事な配球、監督の采配、盗塁にヘッドスライディング、ファインプレー、9回裏逆転サヨナラゲーム、ゲームセットの瞬間マウンドに集まり喜ぶ選手達。
無観客であること以外、いつもの甲子園の光景と何ら変わりません。
試合途中からスタンドの選手や学校関係者など限られた応援団から手拍子が起こり始めました。球場に響いて中々の迫力。相手チームの投手が気にしてピッチングに影響してしまう程でした。
いつも通り勝つために一生懸命な姿は今年が特別な大会であることとは全く関係がなかった。
さて、甲子園の定番応援ソングの中でクラシックベースの曲は数は少ないのですがあります。
オペラ座の怪人/Royal Philharmonic – Phantom of the Opera (YouTubeより)
クシコス・ポスト/Csikós Post (Arr. P. Breiner for Orchestra) · Razumovsky Symphony Orchestra (YouTubeより)
俊足の2番バッターの時に演奏されることが多いのだとか。
浜響応援団N
2020.08.09
Back to Bach! 鍵盤、管、声の三位一体
先日お知らせしました浜響トレーナーの長瀬正典先生出演のフェスタサマーミューザ2020は、今日です!
当日券(2500円)もあるそうですが、オンラインで聴くこともできます。(要チケット購入・1000円)
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール(地図)
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2020
真夏のバッハⅤ
椎名雄一郎パイプオルガン・リサイタル
Back to Bach! 鍵盤、管、声の三位一体
2020. 8.9 (日)17:00開演
(16:00開場/16:20~16:40 プレトーク)
パイプオルガン:椎名雄一郎
サクソフォン:長瀬正典
ソプラノ:天羽明惠
プレトークでは、映像でミューザの大オルガンの中を見ながら、オルガン製作者の横田宗隆さんとホールオルガニスト大木麻理さんが解説してくれるそうで、こちらも面白そう。
▶ https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2707
長瀬先生は、今日協演されるパイプオルガンの椎名雄一郎さんとCDを出されています。
このコンビの生演奏を聴くチャンス!
そして、もし今日のコンサートを聴いて、もっと聴きたくなったらぜひCDも♪
2020.08.07
浜響事務局夏休みのお知らせ
2020.08.06
夏の思い出
毎日暑いですが、いかがお過ごしでしょうか。
どこにも行かないので、ネタがない今日のこの頃…。
というわけで、昨年のお話です。
昨年の「第14回 浜松いわた信用金庫 夢に追いかぜコンサート in Hamamatsu」は、第10回浜松国際ピアノコンクール優勝者のジャン・チャクムルさんとの協演でした。
その後、チャクムルさんが、フェスタサマーミューザのフィナーレコンサートに出演されるとのことで、ミューザ川崎まで行ってきました!
浜松市文化振興財団の方々、浜響の白柳名誉音楽監督、他の浜響メンバーも来ていて、浜松からもたくさんの応援が。
ここでも完売御礼で、オケ(東京交響楽団)もチャクムルさんも素晴らしい演奏でした。
今年のフェスタサマーミューザ2020は、感染対策のためリアルコンサートは限定600席ですが、生配信&アーカイブ配信されています。
そして、なんと!
フィナーレ前日の8月9日には、浜響トレーナーの長瀬正典先生が出演されます!
すごい!! ▶ https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2707
ライブ配信のチケットはまだ購入できます。
アーカイブ配信の購入はコンサートの後でもできます。
(視聴は8/31まで)
昨年、時間がなくて行けなかった資生堂パーラーが心残り。
いつか行けますように。 ▶ https://parlour.shiseido.co.jp/shoplist/lazona-kawasaki/
2020.07.28
ブラック・ジャック回想録 第4章 Point of No Return
図らずもこの回想録を書いている今、ある事件から原作の「ブラック・ジャック」が再び脚光を浴びている。
市内の新型コロナウィルス感染拡大傾向を受け、浜響もこの週末に開催予定だったアンサンブル研修会を中止せざるを得なくなり、少し希望が見えていた練習再開も、また先が見えづらくなってしまった。
「ブラック・ジャック」がテーマとする「生と死」。
世の人々がこれほど身近に感じて真剣に考えたことは、近年無かったのではないだろうか。
先が見えないと不安になるのは仕方がないが、冷静にそして多角的に物事を考える姿勢は、失わないようにしたい。
さて、5年前に話を戻そう。
プログラムが出来上がったら、それを実現させていくのが裏方の務めだ。
予算作成、共催者や共演者との各種調整、団での役割分担、練習計画の策定、楽譜の調達、チケット販売、10周年記念特別企画・・・動き出したら、目の回る忙しさになる。
新作オペラ「ブラック・ジャック」コーナーに関しては、村木氏に完全丸投げ・・・いや、お任せした。
それでも、自分の企画したプログラムでコンサートができるのだ。
純粋に嬉しかったのを今でも記憶している。
たった数分の演奏のためにパイプオルガンを使わせてもらうなど、わがままを聞いてくれた団の役員や文化振興財団の皆さまには、感謝しかない(本当です!)。
いよいよ、はましんコンサートの練習が始まった。
浜響が普段演奏するのはベートーヴェンやブラームスなどのクラシック音楽なので、音源もすでにたくさんあり、練習前からある程度事前に予習が可能だし、曲によっては、過去に何度も演奏している場合もある。だがポップスとなると、浜響自体はほとんど経験が無いので、プロのオーケストラが演奏した音源を参考にしても、やはり曲になじむまでにかなり時間がかかった。
ましてオペラになったらもう、音源どころか楽譜すらないのだ。
オーケストラのスコアは、まだ作っている真っ最中。そこからさらにパート譜を作成する作業がある。写譜屋さんもフル回転だ。
五月雨式に届くオペラの楽譜を配りつつ、楽譜の揃っているポップスの曲を練習していく・・・という流れ作業のような練習。届いた曲を一つずつ、団員それぞれが必死に身体に叩きこんでいく。
オペラ公演の本番直前まで、万事こんな形で練習が進められていった。
この時、我々はまさに音楽が生まれ出る瞬間に立ち会っていたのである。
こういった経験は、オーケストラの活動をしていても、なかなかできるものではない。
はましんコンサートは、浜響がオペラ「ブラック・ジャック」を初めて聴衆に披露する舞台。
「ごめんなさい、やっぱり無理でした」という選択肢は、ない。
我々はもはや、引き返せないところまで来てしまったのである。
(つづく)
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※ 続けて読まれたい方は下記リンクから。
連載 『 ブラック・ジャック回想録 』
▶ 1. ブラック・ジャック回想録 序章 (2020.06.14)
▶ 2. ブラック・ジャック回想録 第1章 立役者 (2020.06.27)
▶ 3. ブラック・ジャック回想録 第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)
▶ 4. ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート (2020.07.16)
▶ 5. ブラック・ジャック回想録 第4章 Point of No Return (2020.07.28)
▶ 6. ブラック・ジャック回想録 第5章 奈落の底から (2020.08.19)
▶ 7. ブラック・ジャック回想録 第6章 歌合せ (2020.08.29)
▶ 8. ブラック・ジャック回想録 最終章 新たな夢へ (2020.10.15)
2020.07.26
7/26壬生ホールにて。
2020.07.16
ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート
回想録なんてエラそうに書いているがあらかじめ言ってしまうと、出演団体として制作に関わりこそしているものの、浜響は裏方の仕事だけ見れば、正直それほど大したことはしていない。
そのくせアキラさんの演奏会などには行かせてもらって、裏方は遊んでいただけではないか、とお叱りを受けるかもしれない。
当たらずとも遠からずではあるが、それは市民オペラが浜響主催ではないからである。
これが主催事業となると、話は180度変わってくる。
当時、毎年7月下旬に、浜松信用金庫(現 浜松いわた信用金庫)、浜松市文化振興財団と浜響の三者共催で、「はましんファミリーコンサート」を開催していた。名前の通り、家族みんなで楽しめる内容の演奏会だ。団では「はましんコンサート」と呼んでいた。
(現在は『夢に追いかぜコンサートin浜松』という名前で続けられている。残念ながら今年の開催は新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止となった)
これがちょうどオペラ公演の1か月前ということで、市民オペラがある年の恒例として、はましんコンサートがオペラの「プレ公演」の位置づけにもなっていた。
「じゃあその企画運営も当然裏方の仕事ね」となり、なぜか筆者が実行委員長まで引き受けることになってしまったからさあ大変。こちらは自分でゼロからすべてを作り上げなければならないのだ。
しかも今回は、はましんコンサート10周年という記念の回でもあった。
まずはプログラム案を考えるのが、最初の大仕事だった。
コンサートの企画を始めた当時、オペラの作曲自体はほぼできていたものの、オーケストラ譜はもちろんまだ一枚もない。でも、<オペラ>というお題は外せない。なおかつ<ファミリー>で<10周年>である。この三題噺をどう作り上げたらいいのか。
そもそも普通のアマチュアオケが、アキラさんに指揮をお願いできる機会は滅多にない。
アキラさんに指揮をしていただくなら、全編宮川家のコンサートにしたい。
やはりここは、ポップスコンサートに<オペラ>を組み込む形にしよう、タイトルも「浜響POPS!」とすぐに決まった。宮川家の曲なら、<ファミリー>の市民にも人気があるし、これまでポップスオーケストラで演奏したことのある団員もたくさんいる。
市民の地道な交流活動というものは、こういうところで実を結ぶのだ。
アキラさんとの協議の結果、まずはアキラさんの曲の中でも耳になじみがあって楽しい曲で気分を盛り上げた後、新作オペラ「ブラック・ジャック」コーナーと「宇宙戦艦ヤマト」で泰・彬良の宮川家二大巨匠が双璧をなしてクライマックスを迎えるという、壮大なプログラム案が出来上がった。
華やかで、<10周年>にもふさわしいプログラムではないだろうか(自画自賛)。
・・・肝心の「ブラック・ジャック」コーナーは、まだ完全に白紙状態のままだったが。
本格的に浜響がオペラに関わり始めたのは、実際にはここからである。
(つづく)
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連載 『 ブラック・ジャック回想録 』
▶ 1. ブラック・ジャック回想録 序章 (2020.06.14)
▶ 2. ブラック・ジャック回想録 第1章 立役者 (2020.06.27)
▶ 3. ブラック・ジャック回想録 第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)
▶ 4. ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート (2020.07.16)
▶ 5. ブラック・ジャック回想録 第4章 Point of No Return (2020.07.28)
▶ 6. ブラック・ジャック回想録 第5章 奈落の底から (2020.08.19)
▶ 7. ブラック・ジャック回想録 第6章 歌合せ (2020.08.29)
▶ 8. ブラック・ジャック回想録 最終章 新たな夢へ (2020.10.15)
2020.07.07
ブラック・ジャック回想録 第2章 アキラさんと宮川家と浜松
そんな村木氏(村木氏については前章参照)から、団を通じて裏方としてオペラ制作への参加依頼を受けたことは、筆者としては誠に光栄であった。
だがそれは同時に、いばらの道を共に歩む仲間になる覚悟が要ることでもあった。
もちろん、浜響から裏方に関わったのは私だけではなく、これまでにアキラさんと交流のあった団員が何人か名乗りをあげてくれた。
実は浜松は、アキラさんのお父様で「宇宙戦艦ヤマト」など多くのヒット曲を生み出した宮川泰氏の時代から、宮川家とは関わりの深い土地だ。
宮川泰氏が生前、浜松市音楽文化顧問を務めていた時期があったことは、あまり知られていない事実である。
このため、宮川家と何らかの形で交流をしてきた市民は少なくない。
筆者自身も、オペラ制作以前からポップスオーケストラに参加したりアキラさんの公演を聴きに行ったり、直接ご本人とお話したりできたが、これもこういった土地柄のおかげである。
オペラに関わるようになってからはさらに機会が増え、浜響裏方メンバーはとくに、制作の参考のためにとアキラさんの他のオペラ公演等の舞台を観に、東京や千葉まで出張させてもらうこともでき、参加者で大いに盛り上がった。
なぜ我々は、アキラさんに魅せられるのか?
音楽が素晴らしいのはもちろんとして、筆者のような一般庶民とも同じ目線で気さくに話をしてくれる親しみやすさや、お話が面白いこともあるだろう。
でもたぶんそれだけでは、あれほどまでに村木氏を駆り立てなかったのではないか。
それはおそらく彼の、音楽に対するひたむきさ故ではないか、と筆者は考える。
音楽への飽くなき探求心、そして見つけたものを豊かな発想力で、分かりやすくみんなに伝えていく。決して驕らず、日々努力を惜しまない。
だからその結果生み出される音楽に、我々は感動し、その人柄に惹かれるのではないだろうか。
本当のところは、是非村木氏に語っていただきたい。
アキラさんの渾身のオペラ、絶対に成功させたい!と裏方メンバー誰もが思っていた。
しかしその後、「新作」を作るとはこれほど大変なことかと、我々は思い知ることになる。
(つづく)
写真:
歌劇「あしたの瞳」~もうひとつの未来@東京芸術劇場
宮川彬良presents『宇宙戦艦ヤマト2199』コンサート2015@舞浜アンフィシアター
での一コマ
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▶ 1. ブラック・ジャック回想録 序章 (2020.06.14)
▶ 2. ブラック・ジャック回想録 第1章 立役者 (2020.06.27)
▶ 3. ブラック・ジャック回想録 第2章 アキラさんと宮川家と浜松 (2020.07.07)
▶ 4. ブラック・ジャック回想録 第3章 はましんコンサート (2020.07.16)
▶ 5. ブラック・ジャック回想録 第4章 Point of No Return (2020.07.28)
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