第96回定期演奏会〜凍てつく大地に ほとばしる情熱〜

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〜凍てつく大地に ほとばしる情熱〜

長く厳しい、ロシアの冬。暗く陰鬱な季節に人々の心と体を癒すのは、劇場に集い音楽を楽しむことでした。
広大な大地を思わせる並外れたスケール、厳しい自然のなかで生き抜こうとする人間のたくましさに満ちた、
ロシア的抒情性が脈々と流れる名曲の数々をお届けします。
最難関の協奏曲に共に挑むのは、注目の新進ヴァイオリニスト、水越 菜生さんです。
異色の経歴を持つ気鋭の若手指揮者、坂入健司郎さんのタクトで、極寒の地に眠る情熱の魂を呼び覚まします。

指揮:坂入健司郎
ヴァイオリン独奏:水越 菜生(第5回浜響ソリスト・オーディション第1位入賞)

芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 op.77
チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 op.64

~曲目紹介~

芥川也寸志 / 交響管弦楽のための音楽
文豪、芥川龍之介の三男であり、映画音楽など様々な分野の作曲や指揮者として活躍した芥川也寸志の出世作です。親しみやすい旋律と軽快なリズムを中心に、自身が影響を受けたロシア音楽の特徴が随所に表れています。

ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77
技巧、音楽性共に至難の業を求められる4楽章構成の大曲です。
通奏低音のように流れるユダヤ趣味をはじめ、ロシアの民族的要素が主導的役割を持ちながら、十二音技法など前衛的な手法が用いられた意欲作です。

チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64
後期三大交響曲のなかでも人気が高く、昨今放送されたテレビドラマのテーマ音楽にもなった名曲です。「運命の主題」が全楽章を通して苦悩を経て勝利の音楽へと生まれ変わる、まるで一本の映画を観ているかのような、ドラマ性を帯びた傑作です。

~ゲストご紹介~

指揮/坂入健司郎
慶應義塾大学経済学部卒業。指揮を井上道義氏、小林研一郎氏、フェドセーエフ氏などから学ぶ。
2008年より東京ユヴェントス・フィルハーモニーを結成。2015年、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへ出演。MOSTLY CLASSIC誌「注目の気鋭指揮者」にも推挙された。2016年、川崎室内管弦楽団の音楽監督に就任。2020年、日本コロムビアの新レーベルOpus Oneよりシェーンベルク「月に憑かれたピエロ」をリリース。読響、日本フィル、新日本フィル、東京シティ・フィル、神奈川フィル、仙台フィル、名古屋フィル、愛知室内、大阪フィル、京都市響などと共演。大阪響とのブラームス全交響曲演奏会は注目を集めている。

©︎Taira Tairdate

 

ヴァイオリン/水越 菜生
2000年生まれ。愛知県出身。
第66回全日本学生音楽コンクール、第12回ベートーヴェン国際コンクール(Austria)、Euroasia Spain Competition等、国内外の数多くのコンクールで優勝している。
カーネギーホール(NY)でのソロリサイタルで絶賛を浴び、ルーマニアやモルドヴァ共和国では現地の国立オーケストラとソリストとして共演する等、日本のみならず海外でも精力的に演奏活動を展開している。
「NHKナゴヤニューイヤーコンサート」「マキシム・ヴェンゲーロフ〜福島への祈り〜」「Maxim Vengerov & Young Artists」「Singapore Rising Star Concert」等でソリストをつとめるほか、小学校在学中より名古屋フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする様々なオーケストラと共演している。
直近ではNHK「クラシックTV」に出演のほか、Music DialogueのDuo Artist2023としても活動。
南山高等学校女子部を卒業し、現在桐朋学園大学大学院修士課程一年在学中。



■主催:公益財団法人浜松交響楽団 ■後援:一般社団法人浜松青年会議所、浜松市、公益財団法人浜松市文化振興財団、浜松商工会議所、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社、K-mix、FM Haro!、ウィンディ