ドヴォルザークと日本と浜松

2024.12.05

ドヴォルザークと日本と浜松

ドヴォルザークと日本と浜松

1841年生まれのドヴォルザーク。
当時のチェコはオーストリア帝国の下にいて、仕事するならドイツ語!と言われていたそうです。
いろんな国や民族が地続きのヨーロッパでは自分たちのアイデンティティを守るのは本当に大変。。
ちなみに、日本では江戸時代で天保の改革の頃。あの渋沢栄一が1840年生まれでほぼ同い年。

そして、ドボ8が作曲されたのは、1889年48歳ころ。作曲家ドヴォルザーク順風満帆の時代だそうです。
日本で言うと、明治22年、大日本国憲法が発布された年で、この後、1894年日清戦争、1904年日露戦争と続いていく激動の時代。

さて、作曲家というと、だいたい気難しいだの、変人だの、奇行ばっかりが記録に残ってしまいがち。
ドヴォルザークは、変な逸話はないのですが、鉄道オタクで有名です。
チェコの鉄道はヨーロッパの中でも早くて1828年開業だそうです。生まれた頃にはいっぱい走っていたんですね。

日本の鉄道歴史もついでに調べてみたら、なんとたまたま、ドボ8作曲前年の1888年に浜松駅が開業したそうです。
翌1889年には静岡方面まで延伸し新橋まで鉄道で行けるように。もちろん蒸気機関車です。

ということで、私の個人的なドヴォルザークの印象です。
・鉄道大好き(好きすぎてアメリカに行った?1830年開業)
・社交的で、人が好きだし、人にも好かれる(たくさんの音楽家から支援されていた、ブラームスにも好かれていた)。
・人と一緒に演奏するのも好きだった。(駆け出しのころはビオラ奏者。ビオラっていい人が多い)
・自分の民族の文化を大切にする。(民族音楽を交響曲分野に取り込む)
・自然が大好き。朝の散歩も大好き。山や、鳥も大好き。(曲中にいっぱい出てくる)
・音楽の才能にあふれていて、やる気にも満ち溢れてて、勉強熱心。(ブラームスやワーグナーやたくさんの勉強を重ねていた)

ちなみに、6歳年上のサンサーンスがサムソンとデリラを初演したのは1877年。

プラハを 1882年に訪問。
この時ドボルザークと接点があったのか?
お互い名声を得ていたころだったから、何か知ら有ったと思うけど。。。
誰か教えてください。

2024.11.29

ドボルザークの木管2ndはおいしいの?

木管セクションは井上先生の分奏。
音楽を演奏するのに、一番大事なことを教えてくださいました。
もっと丁寧に練習していこうと、普段の練習を反省するのでした。

さて、ドボルザークの木管というと、2nd奏者にいっぱい見せどころがあります。
特にこのファゴットの2ndは、曲の冒頭や、4楽章で、全体を支える大事なパートを演奏します。
そして、とっても、あんばいが難しいところです。
音楽的でいい音程で、かつ出すぎず引っ込みすぎず、ちょうどいいところをいつも探しています。

フルートやオーボエ、クラリネットの2nd奏者にも、いっぱい聴きどころがありますので、
誰が演奏しているのか、よーく見ながら聴いてみてください~。

2024.11.29

パート練習

11/27は弦楽器は各地に分かれてのパート練習、管楽器は木管と金管に分かれての練習でした。
弦楽器の中からヴィオラパートの練習の様子をお知らせします。
この日は、ドヴォルザーク交響曲第8番を練習しました。
今までの松岡先生の練習でご指導いただいた音楽的なことを確認し、難所、フィンガリング、強弱、弾き方等々、共有したり、情報交換したり、確認したり、いい方法を教えてもらったり、技術的な面もみっちりやりました。
ドヴォルザークはヴィオラ奏者ですが、「なぜこれをヴィオラに弾かせるの?」という箇所が所々あります。きっとドヴォルザークは普通に弾けたのでしょうね…。
その反面、ヴィオラらしいメロディや、楽しい箇所もたくさんあります。
1楽章のシビアな3連符、2楽章の緊迫するト音記号、3楽章の気が遠くなりそうなウネウネ音型を乗り越えると、4楽章ではC線開放弦で演奏する楽しい箇所が!しかし…
ヴィオラの本領発揮とばかりに張り切って弾いていたら、松岡先生に「ここは葬送行進曲だから…」と言われてしまいました…。ここは神妙な面持ちでやることにします。
ともあれ、内声部の使い方が実に巧妙で、ヴィオラも裏方だけではなく美しいメロディもあって、とてもやりがいがある曲なので、葬送行進曲の部分以外は張り切って演奏します!

(Va M)

※写真は休憩時間にポーズとってもらって撮影しました。

2024.11.21

昔は4番だったし、名前も「イギリス」だった。

今ではドボ8と呼ばれることの多いDvorak作曲の交響曲8番ですが、私が子供の頃(50年ちょい前)は違ってました。
当時買ったLPには、ドヴォルザーク交響曲4(8)番「イギリス」と明記されていました。
ドヴォルザークは生前5曲の交響曲しか出版しませんでした。先に作曲した4曲は自身でお蔵入りにしてしまったのです。
死後に発見されて60年代には9曲のラインナップは次第に浸透し、混乱をさけるために旧番と新番を併記していました。
また彼の作品のメインの出版社のジムロックはかなり「やりたい放題」だったようで、好き勝手に作品番号を割り振ったりしていたために、怒ったドヴォルザークはこの曲はイギリスの出版社を使いました。
そのため付いたあだ名が「イギリス」でした。
随分な理由での命名のため、番号が8番にほぼ統一されたころには、あだ名も消えたようです。
(ですので私が中学生の頃は「新世界より」交響曲は5(9)番でした。当時は意味が良く判らず怪しく感じていました。)
同じような話はシューベルトでありますが、こっちは案外最近です。
昔「未完成」は8番、「グレイト」は9番でした。今では7番と8番です。変わったばかりはびっくりしました。
NHKが間違えてるじゃん!などと思いましたが、そうか「グレイト」も以前は7番で、そのうちに9番になって、今やっと8番になったんだと理解しました。
スケッチだけの交響曲を数に入れる前は7番だったのが、数に入れるようになって9番、だけどやっぱ外すことになり8番。
ヴィラ=ロボスなんかも交響曲は10番まであるけど「勝利の交響曲」は楽譜が残っていないため、交響曲全集には9曲しか入っていません。この辺りも数年後には番号が繰り下がるのかもしれません。
(となるとヴィラ=ロボスも交響曲を9曲書いて死んでしまう9曲連盟の一員になるのかもしれないですね。
主要メンバーはベートーヴェン、(以前はシューベルトも一員)ドヴォルザーク、マーラー、ボーン=ウイリアムスらです。
ヴィラ=ロボスも晴れて仲間になる日が来るかもしれません。閑話休題)

できればハイドンやモーツァルトの交響曲番号は変わって欲しくないですね。ハイドンは2曲、モーツァルトは数えきれないほど交響曲が追加で見つかっています。「ロンドン」が106番、「ジュピター」が48番とかにはなって欲しくありません。
いかに生々流転とはいえ限度があると思います。

ちなみに中学生の時に2枚目に買ったLPがドボ8でした。当時はコントラバスを弾いていましたので、こんなにチェロが美味しい曲だとは判ってませんでした。シルヴェストリ指揮ロンドン・フィルのほんわかしたお気に入りの一枚でした。
浜松交響楽団でも何回目かのドボ8ですが、歴代一番の演奏になるように精進したいと思っています。(TK)

2024.11.16

深〜い森の中へようこそ

ドヴォルザーク 交響曲 第8番 1楽章…
音楽が始まるとそこは深〜い森の中。
とても神秘的で美しい森。まだ夜は明けていません。もうじき日が昇ってきます。遠くから鳥のさえずりが聞こえてきます。そのさえずりが一本の線となって、森の向こうのうっすらと見える太陽につながります。もうすぐ夜明け。
森の木々の葉に光が反射しています。少女は森の中をわくわく楽しげに踊りながら進んでいきます。と、イメージを膨らませながら聴いていただけるとオーケストラの音色って素敵だなぁ〜と、感じでいただけると思います。
今回ドヴォルザークの木管〜金管〜打楽器メンバー、一部当てはまらない方もいますが、ほぼシルバーシート。
特に椅子の色は変わりませんが(笑)一緒に歳を重ねながら演奏出来ることは幸せです! 松岡先生とも25年くらいになります。
松岡先生にお会いすると、なぜか懐かしさと嬉しさがわいてきます。

FL. M.k

2024.11.07

苦戦中…でも、お楽しみに‼️

こんにちは、波小僧です。

波小僧には30数年ぶりのドボルザーク交響曲第8番チャレンジ。前回ファーストバイオリンでのチャレンジで、ハイポジションに大苦戦した思い出があります。ん?なんか横のセカンドが面白い旋律たくさん弾いてるぞ‼️と思ったことがかすかな記憶に。というわけで念願のドボ8セカンドチャレンジです。

ドボルザークの故郷スラブの美しい景色を彷彿とさせる旋律や民俗音楽がちりばめられたこの曲。風になびく草原の音、鳥のさえずり…。そうです‼️美味しい旋律だけではなく、セカンド泣かせの小技連発の難所がたくさんあったのです‼️音符、細かいし‼️音、飛ぶし‼️特に鳥の鳴き声を模したピロピロした旋律は、まさに波小僧泣かせでありました。指、動かない、つりそう…。

さて…11月になりました…。今日の練習は弦分奏です。
秋らしい心地よい風が吹くようになりましたが、私のドボ8草原は、多少の進歩はあったと思われるものの、まだまだ苦戦中であります。鳥のピロピロ鳴き声だけでなく、風のソヨソヨ音も…。きざみで弾く時に使う弓の毛の量や幅を調整したり、指板寄りで弾いたりしております。それっぼくなっているかな…?
こんなピロピロ音やソヨソヨ音の上を、様々な主旋律が気持ちよく歌うことができれば、すてきなドボルザークの演奏になるんですよね。あと1ヶ月と少し、頑張るかぁ…‼️

12月22日の演奏会本番では、こんなところにも気を付けて耳を澄ませ、目を輝かせてお聴きいただけると幸いです。

2024.11.06

お酒の神!?

前回のブログが「カルメン」の話題でした。では今回は「サムソンとデリラ」のお話を!

カルメンと同様、“何故その女性にそんなに惚れ込んでしまったんだ〜”という大きめの突っ込みが出てしまうオペラです(笑)

今回の松岡先生の合奏では、オペラの中での狂宴のシーン「バッカナール」を練習しました。
バッカナールという言葉はギリシャ神話のワインの神様“バッカス”からきています。敵の主力戦士サムソンを捕らえて、デリラ陣営が呑めや踊れやの大宴会をしている、という感じです。ただの宴会ならかわいいものですが、サムソンを縛りつけ目玉を◯◯して…グロテスクな場面みたいです。現代映像では表現できないことを芸術という分野なら堂々と表現できてしまう!!これってスゴいことですよね!!ただ、浜響団員、絶賛アラビアンな音階に苦戦しています。バッカスに愛されし団員(酒呑み)は沢山いるんですが…演奏に妖艶さが出せるように頑張ります!

今回のソリスト、十合翔子さんが歌う「サムソンとデリラ」のアリアはとても美しい曲で、今から合わせがとても楽しみです(歌の内容はサムソンを口説き落とすという、なかなか魔力のある曲です)

2024.10.25

スペインの香りを感じて

いよいよ夏がおわり、秋(というもう冬?)がやってきましたね。

今週から、歌劇「カルメン」と歌劇「サムソンとデリラ」の練習が始まりました。

歌劇「カルメン」ではみなさんをスペインへ誘います。
スペインといえば、サッカーやサグラダファミリア、闘牛、フラメンコなどが有名ですね。

そんなスペインが舞台になっているのが今回お届けする歌劇「カルメン」です。
簡単にストーリーを述べると、自由で情熱的な女性「カルメン」と、彼女の愛に魅了され、翻弄される男性たちの愛を描いた作品です。

今回演奏するハバネラ、セギディーリャは、カルメンが男性たちを誘惑する曲です。
特に、セギディーリャが演奏される場面では、
揉め事を起こしたカルメンを捕まえた軍隊の兵士がカルメンの誘惑に負けてしまい、カルメンを逃してしまうのです。
軍隊の兵士でもある男性が自身の立場を悪くしてでも助けたいと、その女性のことを愛してしまうなんてどんな魅力的だったのでしょうか。
(そのあと、その軍隊の兵士がどうなってしまったのかは…)

そんな情熱的で魅力的なカルメンの歌声を聴かせてくれるのは、第5回浜響ソリスト・オーディション第1位入賞のメゾソプラノ歌手の十合 翔子さんです。
どんな歌声が聴けるのかとても楽しみです。
(魅力的な歌声に翻弄されないようにしっかり練習します!)

みなさん、ぜひ異国の香りを感じに、演奏会にお越しください。12/22(日曜日)アクトシティ浜松大ホールでお待ちしております!

最後に、
一足先に私も異国の香りを感じてきます!

(木管奏者のpino←スペイン語です)

2024.10.17

チェコのあれこれ

今回、チェコの偉大な作曲家・ドヴォルザークの交響曲第8番 (通称ドボ8) を演奏するにあたり、チェコにまつわる個人的エピソードをとりとめもなく書きつつ、気分を盛り上げていきたいと思います。
ちなみに、私自身は浜響では二度目のドボ8ですが、前回のその演奏会 (第57回定期) は2004年11月28日でしたので、それからちょうど20年になります。

1つ目。まず、チェコと言えばビール。チェコは、ピルスナー発祥の地であり、一人当たりのビール消費量が30年連続世界一というビール大国で、私もチェコのお隣りドイツに住んでいた時はチェコを代表するビール「ピルスナー・ウルケル」を毎日飲んでました。その「ピルスナー・ウルケル」は、ドヴォルザークが生まれた翌年の1842年に製造が開始されたので、もしかしたらドヴォルザークも飲んでいたのかも。ちなみに、同じくチェコの大作曲家・スメタナの父親はビール醸造士でした。

2つ目。チェコは小動物のブリードがとても盛んで、日本のペットショップでもチェコ生まれの小動物に出会うことができます。実は動物好きの私は、ネコに加えて小動物を数匹飼っているのですが、そのうちの1匹はチェコ生まれです。ちなみに、ドヴォルザークは鳩の愛好家でした。

3つ目は今でも悔やみきれない思い出で、私が十数年前に日本からドイツに向かう飛行機に乗った時、隣りの席に60-70代と思われる男性が座っていました。飛行中は特に会話もないままドイツに到着し、私が荷物棚から自分のバイオリンを取り出した時、その男性が「あなたはバイオリンを弾くのですね。私も昔チェコ・フィルでトランペットを吹ていました」 と笑顔で話しかけて下さり、そのまま先に飛行機を降りて行かれました。そう言われて思い返すと、その方は見た目・年齢的に、ノイマン時代からたくさんの名演を聞かせてくれた、チェコ・フィルの伝説的トランペット奏者、ミロスラフ・ケイマル氏だったのではないかと…いずれにしてもチェコ・フィルの元メンバーとじっくり会話できる機会を逃してしまったことはとても残念でした。

4つ目。私は、約100年前にチェコのプラハで作られたバイオリンを弾いています。以前よりチェコ・フィルの弦楽器の音色に惹かれていた私は、25年ほど前に敢えてチェコ製のバイオリンを探し求め、この楽器と出会いました。それまでの75年間、この楽器がどこで誰に弾かれていたのかは知るすべもありませんが、そのおかげで想像力がかき立てられ、もしかしたらターリヒ(チェコ・フィルの第一次黄金期を築いた名指揮者)が指揮するチェコ・フィルで弾かれたことがあるかもしれない、もしかしたらこのバイオリンの製作者 (1887年プラハ生) はドヴォルザーク (1904年プラハ没) と出会ったことがあるかもしれない、などど妄想にふけることが出来ます。

最後に、チェコ・フィルによる、ドボ8のおススメCDを1つ。2013年に初出のライブ録音として発売された、ルツェルン音楽祭でのジョージ・セルとのライブ盤 (1969年8月30日) です。セルのドボ8というと、彼の生涯最後のレコーディングとなったクリーヴランド管弦楽団とのセッション録音 (1970年4月) が名盤として古くから広く知られていますが、その8ヶ月前のチェコ・フィルとの演奏はそれを上回る熱演だと私は思います。未聴の方は是非一度聞いてみてください!

※写真は、ドヴォルザークが眠るヴィシェフラド民族墓地に向かう坂道から見た、ヴルタヴァ川とプラハの街並みです。(2009年5月訪問時に撮影)

(バイオリン TI)

2024.10.12

久しぶりの浜響ブログ

皆様お久しぶりです。

夢に追いかぜコンサート以来、約3か月ぶりの浜響ブログとなりました。

ブログでは近況をお伝えしていませんでしたが、浜響は夢コンが終了してから第8回浜松市民オペラ「音詩劇かぐや」に向けての準備をしており、9月末に無事2日間の公演を終えました。

これからは12月22日(日)に行われる「第97回定期演奏会〜異国の薫りに魅せられて〜」に向けての練習です。次回演奏会では第5回浜響ソリスト・オーディションで第1位に入賞されたメゾソプラノ歌手、十合 翔子さんをお迎えします。「かぐや」に引き続き歌モノが続きますが、「かぐや」で得られた経験を活かして良い演奏会にしたいと思います。

さて、先日の練習は団員指揮者による「ドヴォルザーク:交響曲第8番」の合奏でしたが、「かぐや」には降り番で参加されなかったメンバー達も久しぶりの練習参加。数か月ぶりの大人数でのオーケストラの響きに懐かしさを感じました。

来週はさっそく松岡究マエストロによるドボ8の合奏です。3年前のグランシップでのクリスマスコンサート以来となります。どんな曲作りになるのか楽しみです。

(Hr. F.O)