昨日は集中練習の2日目ということで、終日ドボ8の練習に明け暮れていました。
響きの良い大ホールのリハーサル室で充実した練習でした。
前日の練習のエピソードではあるのですが、指揮者の松岡先生がクレッシェンド (*) について印象的なことをおっしゃっていました。
(*) クレッシェンドとは、音量が徐々に大きくなることを指す。主に楽曲の表現力を豊かにするために用いられる。クレッシェンドは、感情の高まりや緊張感を表現する際に効果的であり、様々な楽曲で使用されている。
(実用日本語表現辞典より)
クレッシェンドには3種類あるとのこと。
1つ目は徐々に音量を大きくするタイプ。2つ目は最初に多めに7-8割のクレッシェンドを行い、そのあとは少し大きくするタイプ。3つ目は最初は少なめに大きくして最後に7-8割を一気にクレッシェンドするタイプ。
絵にすると下記の感じでしょうか。

今回の演奏会では、全3種類のクレッシェンドが登場するのですが、
特に3つ目のタイプが音楽的にはとても効果があって、盛り上がりをわかりやすく表現できる方法とのこと。
今回は一度は耳にしたことがあるはずの曲が多く並ぶので、耳なじみのメロディーを楽しんでいただくのはもちろんのこと、最後にわーっと一気に盛り上がるクレッシェンドにも注目して聞いていただけるとより一層楽しい時間を過ごしていただけるのではと思います!
本番まで残すところ、1週間!
いい感じに仕上がってきていますので、乞うご期待!
会場でお会いしましょう!
Vn. S.H
今週末は集中練習!ということで、1日目となる昨日は十合さんとの歌合わせでした。
会場いっぱいに響き渡る美しい歌声に合奏前からわくわく。カルメンの練習が始まるとまるでカルメンがそこにいるかのような雰囲気につつまれ、オーケストラの演奏もより一層引き締まったように感じられました。
演奏会ではカルメン/サムソンとデリラの前半プログラム両方で歌声をお聴きいただけます♪
どんな演奏に仕上がっているのか、お楽しみに!
Fl. M.E.
昨日は「ドヴォルザーク/交響曲第8番、サムソンとデリラ、アンコール」の合奏でした。
「サムソンとデリラ」よりバッカナールのアラビアンなメロディは、どこかで耳にしたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、楽譜をご覧になったことはあるでしょうか?
私自身、初めて楽譜を見たときはびっくり!
というのも思っていたのと記譜が違ったからです。
あれ、ド♯レミファ…って1拍目からじゃないの…(・・?)
(縦線の位置が、添付写真 赤線だと思っていました。)
頭では理解していても、何度弾いても、ちょっと気を抜くと混乱…(@_@)
でもこの記譜だからこその表現がもちろんあるのです。サン=サーンスと松岡先生と自分たちの思いを音にしてお届けできるよう、がんばります!
気づけば、本番まであと10日…!!
昨日の練習では、細かい表現を何度も練習したため時間がなくなり、後日に回した曲も…。
今週末は土日練習もあり、十合さんとの初めてのソロ合わせも予定されています。
最後の追い込みに、乞うご期待!
Vn.M

ドヴォルザークと日本と浜松
1841年生まれのドヴォルザーク。
当時のチェコはオーストリア帝国の下にいて、仕事するならドイツ語!と言われていたそうです。
いろんな国や民族が地続きのヨーロッパでは自分たちのアイデンティティを守るのは本当に大変。。
ちなみに、日本では江戸時代で天保の改革の頃。あの渋沢栄一が1840年生まれでほぼ同い年。
そして、ドボ8が作曲されたのは、1889年48歳ころ。作曲家ドヴォルザーク順風満帆の時代だそうです。
日本で言うと、明治22年、大日本国憲法が発布された年で、この後、1894年日清戦争、1904年日露戦争と続いていく激動の時代。
さて、作曲家というと、だいたい気難しいだの、変人だの、奇行ばっかりが記録に残ってしまいがち。
ドヴォルザークは、変な逸話はないのですが、鉄道オタクで有名です。
チェコの鉄道はヨーロッパの中でも早くて1828年開業だそうです。生まれた頃にはいっぱい走っていたんですね。
日本の鉄道歴史もついでに調べてみたら、なんとたまたま、ドボ8作曲前年の1888年に浜松駅が開業したそうです。
翌1889年には静岡方面まで延伸し新橋まで鉄道で行けるように。もちろん蒸気機関車です。
ということで、私の個人的なドヴォルザークの印象です。
・鉄道大好き(好きすぎてアメリカに行った?1830年開業)
・社交的で、人が好きだし、人にも好かれる(たくさんの音楽家から支援されていた、ブラームスにも好かれていた)。
・人と一緒に演奏するのも好きだった。(駆け出しのころはビオラ奏者。ビオラっていい人が多い)
・自分の民族の文化を大切にする。(民族音楽を交響曲分野に取り込む)
・自然が大好き。朝の散歩も大好き。山や、鳥も大好き。(曲中にいっぱい出てくる)
・音楽の才能にあふれていて、やる気にも満ち溢れてて、勉強熱心。(ブラームスやワーグナーやたくさんの勉強を重ねていた)
ちなみに、6歳年上のサンサーンスがサムソンとデリラを初演したのは1877年。
プラハを 1882年に訪問。
この時ドボルザークと接点があったのか?
お互い名声を得ていたころだったから、何か知ら有ったと思うけど。。。
誰か教えてください。
2024.11.29
ドボルザークの木管2ndはおいしいの?
木管セクションは井上先生の分奏。
音楽を演奏するのに、一番大事なことを教えてくださいました。
もっと丁寧に練習していこうと、普段の練習を反省するのでした。
さて、ドボルザークの木管というと、2nd奏者にいっぱい見せどころがあります。
特にこのファゴットの2ndは、曲の冒頭や、4楽章で、全体を支える大事なパートを演奏します。
そして、とっても、あんばいが難しいところです。
音楽的でいい音程で、かつ出すぎず引っ込みすぎず、ちょうどいいところをいつも探しています。
フルートやオーボエ、クラリネットの2nd奏者にも、いっぱい聴きどころがありますので、
誰が演奏しているのか、よーく見ながら聴いてみてください~。

11/27は弦楽器は各地に分かれてのパート練習、管楽器は木管と金管に分かれての練習でした。
弦楽器の中からヴィオラパートの練習の様子をお知らせします。
この日は、ドヴォルザーク交響曲第8番を練習しました。
今までの松岡先生の練習でご指導いただいた音楽的なことを確認し、難所、フィンガリング、強弱、弾き方等々、共有したり、情報交換したり、確認したり、いい方法を教えてもらったり、技術的な面もみっちりやりました。
ドヴォルザークはヴィオラ奏者ですが、「なぜこれをヴィオラに弾かせるの?」という箇所が所々あります。きっとドヴォルザークは普通に弾けたのでしょうね…。
その反面、ヴィオラらしいメロディや、楽しい箇所もたくさんあります。
1楽章のシビアな3連符、2楽章の緊迫するト音記号、3楽章の気が遠くなりそうなウネウネ音型を乗り越えると、4楽章ではC線開放弦で演奏する楽しい箇所が!しかし…
ヴィオラの本領発揮とばかりに張り切って弾いていたら、松岡先生に「ここは葬送行進曲だから…」と言われてしまいました…。ここは神妙な面持ちでやることにします。
ともあれ、内声部の使い方が実に巧妙で、ヴィオラも裏方だけではなく美しいメロディもあって、とてもやりがいがある曲なので、葬送行進曲の部分以外は張り切って演奏します!
(Va M)
※写真は休憩時間にポーズとってもらって撮影しました。

2024.11.21
昔は4番だったし、名前も「イギリス」だった。
今ではドボ8と呼ばれることの多いDvorak作曲の交響曲8番ですが、私が子供の頃(50年ちょい前)は違ってました。
当時買ったLPには、ドヴォルザーク交響曲4(8)番「イギリス」と明記されていました。
ドヴォルザークは生前5曲の交響曲しか出版しませんでした。先に作曲した4曲は自身でお蔵入りにしてしまったのです。
死後に発見されて60年代には9曲のラインナップは次第に浸透し、混乱をさけるために旧番と新番を併記していました。
また彼の作品のメインの出版社のジムロックはかなり「やりたい放題」だったようで、好き勝手に作品番号を割り振ったりしていたために、怒ったドヴォルザークはこの曲はイギリスの出版社を使いました。
そのため付いたあだ名が「イギリス」でした。
随分な理由での命名のため、番号が8番にほぼ統一されたころには、あだ名も消えたようです。
(ですので私が中学生の頃は「新世界より」交響曲は5(9)番でした。当時は意味が良く判らず怪しく感じていました。)
同じような話はシューベルトでありますが、こっちは案外最近です。
昔「未完成」は8番、「グレイト」は9番でした。今では7番と8番です。変わったばかりはびっくりしました。
NHKが間違えてるじゃん!などと思いましたが、そうか「グレイト」も以前は7番で、そのうちに9番になって、今やっと8番になったんだと理解しました。
スケッチだけの交響曲を数に入れる前は7番だったのが、数に入れるようになって9番、だけどやっぱ外すことになり8番。
ヴィラ=ロボスなんかも交響曲は10番まであるけど「勝利の交響曲」は楽譜が残っていないため、交響曲全集には9曲しか入っていません。この辺りも数年後には番号が繰り下がるのかもしれません。
(となるとヴィラ=ロボスも交響曲を9曲書いて死んでしまう9曲連盟の一員になるのかもしれないですね。
主要メンバーはベートーヴェン、(以前はシューベルトも一員)ドヴォルザーク、マーラー、ボーン=ウイリアムスらです。
ヴィラ=ロボスも晴れて仲間になる日が来るかもしれません。閑話休題)
できればハイドンやモーツァルトの交響曲番号は変わって欲しくないですね。ハイドンは2曲、モーツァルトは数えきれないほど交響曲が追加で見つかっています。「ロンドン」が106番、「ジュピター」が48番とかにはなって欲しくありません。
いかに生々流転とはいえ限度があると思います。
ちなみに中学生の時に2枚目に買ったLPがドボ8でした。当時はコントラバスを弾いていましたので、こんなにチェロが美味しい曲だとは判ってませんでした。シルヴェストリ指揮ロンドン・フィルのほんわかしたお気に入りの一枚でした。
浜松交響楽団でも何回目かのドボ8ですが、歴代一番の演奏になるように精進したいと思っています。(TK)
ドヴォルザーク 交響曲 第8番 1楽章…
音楽が始まるとそこは深〜い森の中。
とても神秘的で美しい森。まだ夜は明けていません。もうじき日が昇ってきます。遠くから鳥のさえずりが聞こえてきます。そのさえずりが一本の線となって、森の向こうのうっすらと見える太陽につながります。もうすぐ夜明け。
森の木々の葉に光が反射しています。少女は森の中をわくわく楽しげに踊りながら進んでいきます。と、イメージを膨らませながら聴いていただけるとオーケストラの音色って素敵だなぁ〜と、感じでいただけると思います。
今回ドヴォルザークの木管〜金管〜打楽器メンバー、一部当てはまらない方もいますが、ほぼシルバーシート。
特に椅子の色は変わりませんが(笑)一緒に歳を重ねながら演奏出来ることは幸せです! 松岡先生とも25年くらいになります。
松岡先生にお会いすると、なぜか懐かしさと嬉しさがわいてきます。
FL. M.k

2024.11.07
苦戦中…でも、お楽しみに‼️
こんにちは、波小僧です。
波小僧には30数年ぶりのドボルザーク交響曲第8番チャレンジ。前回ファーストバイオリンでのチャレンジで、ハイポジションに大苦戦した思い出があります。ん?なんか横のセカンドが面白い旋律たくさん弾いてるぞ‼️と思ったことがかすかな記憶に。というわけで念願のドボ8セカンドチャレンジです。
ドボルザークの故郷スラブの美しい景色を彷彿とさせる旋律や民俗音楽がちりばめられたこの曲。風になびく草原の音、鳥のさえずり…。そうです‼️美味しい旋律だけではなく、セカンド泣かせの小技連発の難所がたくさんあったのです‼️音符、細かいし‼️音、飛ぶし‼️特に鳥の鳴き声を模したピロピロした旋律は、まさに波小僧泣かせでありました。指、動かない、つりそう…。
さて…11月になりました…。今日の練習は弦分奏です。
秋らしい心地よい風が吹くようになりましたが、私のドボ8草原は、多少の進歩はあったと思われるものの、まだまだ苦戦中であります。鳥のピロピロ鳴き声だけでなく、風のソヨソヨ音も…。きざみで弾く時に使う弓の毛の量や幅を調整したり、指板寄りで弾いたりしております。それっぼくなっているかな…?
こんなピロピロ音やソヨソヨ音の上を、様々な主旋律が気持ちよく歌うことができれば、すてきなドボルザークの演奏になるんですよね。あと1ヶ月と少し、頑張るかぁ…‼️
12月22日の演奏会本番では、こんなところにも気を付けて耳を澄ませ、目を輝かせてお聴きいただけると幸いです。

前回のブログが「カルメン」の話題でした。では今回は「サムソンとデリラ」のお話を!
カルメンと同様、“何故その女性にそんなに惚れ込んでしまったんだ〜”という大きめの突っ込みが出てしまうオペラです(笑)
今回の松岡先生の合奏では、オペラの中での狂宴のシーン「バッカナール」を練習しました。
バッカナールという言葉はギリシャ神話のワインの神様“バッカス”からきています。敵の主力戦士サムソンを捕らえて、デリラ陣営が呑めや踊れやの大宴会をしている、という感じです。ただの宴会ならかわいいものですが、サムソンを縛りつけ目玉を◯◯して…グロテスクな場面みたいです。現代映像では表現できないことを芸術という分野なら堂々と表現できてしまう!!これってスゴいことですよね!!ただ、浜響団員、絶賛アラビアンな音階に苦戦しています。バッカスに愛されし団員(酒呑み)は沢山いるんですが…演奏に妖艶さが出せるように頑張ります!
今回のソリスト、十合翔子さんが歌う「サムソンとデリラ」のアリアはとても美しい曲で、今から合わせがとても楽しみです(歌の内容はサムソンを口説き落とすという、なかなか魔力のある曲です)

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