2023.04.06
天上のしらべと地上のドラマ
ソプラノ宮地さんが歌うオペラアリアは、まさしく天上のしらべ。
2023.04.06
2023.03.30
土日の集中練習を経て、昨日は3日ぶりの合奏でした。
前半はブルックナーの1楽章と3楽章、後半は「フィガロの結婚」
フレーズの作り方や音の処理、強弱など細かな点を丁寧に確認しま
練習を重ね、ある程度形になってきたとはいえ、まだまだやること
がんばります…!
気付けば、もうすぐ3月も終わり…。
桜は満開、初夏のようにあたたかい(暑い)日も増えてきましたね
そして、定期演奏会まで2週間を切って、昨年12月から始まった
桜も練習もあと少しです。
年度始め、お仕事や家事のひと休みにいかがでしょうか。
4月9日、ご来場お待ちしています!
Vn.M
2023.03.27
桜も咲いて、お花見日和な今日のこの頃。
浜響は土曜に続き日曜も、みをつくし文化センターで集中練習でした。
午前中は、木管と弦楽器のみでブルックナー。
頼りにしている金管がいない中での練習。
自分の音とじっくり向き合うよい機会となりました。
お昼休みは駐車場へ。
車の中でお弁当を食べていたら、天竜浜名湖鉄道の電車が走っていきました。
1時間に1本しかないので、なかなかのレア。
線路の方に行ってみたら、ホールの裏に桜並木を発見。
雨で落ちた花びらが絨毯みたい。
駅も近くにありました。
雨に濡れて寒そう。
午後は、金管楽器も来て、通し練習でした。
全集中で1時間ちょっと。
森羅万象の深い響きが印象的な1楽章、宇宙が踊っているような第2楽章、そして神の声が聴こえると言われる第3楽章。
2週間後には、皆様をブルックナーの至高の世界へ誘えますよう、残り少ないですがさらに精進します。
帰り、駐車場に行ったら、なんとまた天竜浜名湖鉄道の電車に遭遇。
1日に2回も!しかもラッピング車両でした。
鉄ではないので、検索の仕方が合っているか分かりませんが、たぶんこれだと思われます。
最後に本のご紹介です。
『不機嫌な姫とブルックナー団』
小説ではありますが、ブルックナーがどんな人なのか、「ブルックナーが好きな人」がどんな人なのか、知ることができるのではと思います。
演奏会前に、または演奏会後に、ぜひ!
ちなみに、
本文中の「ブルックナー団員資格認定テスト」、私は全部「いいえ」でした。
大丈夫です。普通の人はそんな感じです。
(Va M)
2023.03.26
3/25 浜響集中練習
最近の練習ブログはどうしてもブルックナーだらけでしたが…お待
宮地さんは去年の8月に行われた浜響ソリスト・オーディションで
練習では、宮地さんの歌い出しからグッと心をつかまれました(本
それぞれに表情や味わいが違う3曲を演奏した後に、宮地さんに少
私:「今回のプログラムの聴きどころを教えてください」
宮地さん:「全曲とも“声”をじっくり聴いていただけるプログラ
宮地さん、ありがとうございました!!
私たち団員も、宮地さんのレガートな歌に並走し、寄り添い、引き
お客様にもぜひ聴いて頂きたい!と強く思いました♪
4月9日(日)アクトシティ浜松大ホールにて、皆さまぜひお越し
※写真は宮地さんとコンマスです
(くら子)
2023.03.23
ある日の夕方…。私は佐鳴湖に近い職場を出ようとしていた。
「今日はパート練習かぁ…。」
パート練習会場は、職場から遠い、浜北。そして私の自宅は浜名湖の橋を越えた愛知県との県境。そこで一句。
「なかなかの ドライブになるな 今日もまた」
と、楽器を車に乗せて出発した。
パート練習というのは、オーケストラ全体での合奏とは違った緊張感がある。個人の音がはっきりとわかるから。練習がきちんとできているか、みんなに丸わかり。でも、疑問に思っている箇所があれば質問できるし、それに対するみんなの意見も聞ける。これはありがたい。
今日もそうだった。早速目下苦戦中のブルックナー。♯や♭、といった臨時記号にクラクラしながら音程を確かめていく。なるほど、絡んでいた糸がほぐれてきたぞ…と思っていたら、おっとまずい…。また課題発見。ここ、難しいんだよね、と気持ちを共有。どんな指使いがいいかねぇ、とアイディアをいただく。この繰り返しを重ねていくことが、実は楽しい。
…難敵はまだいた…。細かいパッセージの続く、ごまかしの一切聞かないモーツァルト。曲想も表現もブルックナーとは真逆。本番、衣装変えでもしようかと考えるくらい(しないと思いますよ!)、ガラッと変わる。パート練習で弾き方をそろえていくことも大切だ。そう思いながら練習を進めていくうちに、あっという間に終了時刻。お疲れ様でしたぁ… ‼️
そういえば、大谷翔平選手は凄かったねぇ ‼️ という会話が聞こえてきた。…そう、パート練習はWBC決勝の日だったのだ ‼️
今日もいい日だった。パート練習もできたし、侍ジャパン優勝したし。疲れたけれど、まあまあ充実感あり。さて、安全運転で県境まで30㎞運転して帰るとしますか。総移動距離は60㎞越え…。パート練習で出た「集中練習までにやっておく箇所」という宿題を持って帰路につく私であった…。
本番は近い、頑張ろう… ‼️
(2nd Vn 遠州灘の波小僧)
2023.03.18
今から40年以上も前のことですが、シューリヒト(元祖の方)がウィーン・フィルを振ったブルックナーの交響曲第9番のLPを中古で買いました。暗く重たい1楽章が心地よく響き、スリルある稜線の岩場歩きを彷彿させる2楽章(時々雪崩だか落石が頻繁に起こる)、そして何物にも代えがたい3楽章(当時は南部牛追い唄の響きに似てるなあと思ってました。)、でも次が無い・・・・未完成の曲だと知りました。
だけど3楽章までで曲は充分に完結しているためなのでしょう、物足りなさは感じませんでした。
(作曲者はテ・デウムを4楽章にしちゃえばどうか?などと冗談を言っていたとか。本気だったとは思えない)
あれから40年・・・
1昨年ブルックナーの交響曲全集(0番も収録されている、しかも安い)をインバルのCDで買ったら、なんと9番に4楽章が付いていた!どこから湧いてきたのか?と思ったら、「最後の部分が欠落しているので、インバルが完成させた」みたいなことが書いてあった。
どんな曲かと思って聞いたら、それなりに盛り上がり主題も反復され悪くない曲と感じたけれども、あの恐るべき第3楽章の後に来るにはどうにも役不足。
大関→関脇→横綱と来ておきながら、最後の締めは小結だったという印象。ちょっと締まらない。
「4楽章は完成間近まで作ってしまったけど、今更手直しレベルでは横綱には敵わない、かと言って自分には作り直しをしている時間は残されていない、しょうがないので完成させるのはやめておこう」、とでも思ったのかもしれません。(最後の部分は私の勝手な想像です。完成する前に死去されたと書いてありました・・・)
それにしても強烈な名曲で、取り組んでいてもそのスケールの大きさに圧倒されます。しかも静かに終わるので聴いて下さる方に自分たちの感動を伝えることができるだろうか?とも心配になりますが、この曲を演奏できることに感謝して精進していこうと思っています。(T K)
写真:パブリック・ドメイン:From Wikimedia Commons, the free media repository
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bruckner_final_years.jpg
2023.03.13
今回は、第94回定期演奏会で演奏するオペラ曲のうち、モーツァルト作曲「フィガロの結婚」について紹介します。
舞台はスペインのセビリア、伯爵の従者フィガロとその婚約者である侍女のスザンナが主人公で、スザンナを我がものにしようとする伯爵の謀略を2人が伯爵夫人とともに打ち砕いていくというストーリーです。今回の演奏会で取り上げるのは、序曲と、伯爵夫人のアリア “Dove sono i bei momenti” です。
「フィガロの結婚」の序曲は、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。冒頭のざわめきのようなパッセージは、静かながらもこれから始まる物語への高揚感を感じさせます。この部分は、八分音符で動くせわしない音型をピアニッシモで演奏しなければならないため、演奏者としてはなかなかの難所です。ヴァイオリンパートの私にとってもここは大変な部分ですが、ヴァイオリンと全く同じパッセージを演奏しなければならない低弦やファゴットの方々の苦労を考えると頭が下がるばかりです。
伯爵夫人のアリア “Dove sono i bei momenti” では、伯爵夫人が、夫である伯爵の浮気によって失われてしまった愛情について歌います。美しい長調の響きの中に、戻らない幸せな日々を追憶する伯爵夫人の哀しみを感じさせられます。「一途な愛で、伯爵が心を入れ替えてくれるかもしれない」という一縷の望みを歌い上げ、アリアは終わります。
オペラのあらすじを知っておくと、今回の演奏会もより一層楽しめるかと思います。
Vn T.H.
写真:パブリック・ドメイン:Wikipediaより
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f1/TheMarriageofFigaroOriginalPoster.jpg
2023.03.09
第94回定期演奏会の前半のプログラムでは、3つのオペラ曲の抜粋を演奏します。
ソリストに来ていただくのは、第5回浜響ソリスト・オーディション第一位入賞者の宮地江奈さんです。
私はオペラものをほとんどやったことがないので、今から歌合わせがとても楽しみです。
今回はベッリーニ「清教徒」についてお話しします。
「清教徒」は17世紀のイギリスにて起こった清教徒革命(ピューリタン革命)が舞台のオペラです。
あらすじを簡単に記します。
議会派(清教徒)と王党派が対立する中、議会派の娘エルヴィーラと王党派の騎士アルトゥーロは、互いに愛し合い婚約関係にありました。しかし、アルトゥーロは議会派に幽閉されている王妃エンリケッタを救うために、エルヴィーラとの結婚が祝われている最中に逃亡します。一方、エルヴィーラはアルトゥーロが別の女性と駆け落ちしたと勘違いして正気を失ってしまいます。
やがて二人の誤解は解けて再会を喜びますが、アルトゥーロは議会派に捕まり死刑となります。しかし、死刑に処せられる直前に議会派と王党派の戦いは終わり、アルトゥーロは無事解放されます。
最後に二人は結ばれてハッピーエンドでオペラは終わります。
今回歌われるのはエルヴィーラのアリア「あなたの優しい声が」です。
これは、アルトゥーロが別の女性と駆け落ちしたと勘違いして正気を失った際に歌われます。明るい曲調とは裏腹に、オペラではエルヴィーラは狂ったようにもがきながら歌っている姿が印象的です。
歌詞を日本語にしたもが以下のサイトで紹介されていました。
http://www3.cty-net.ne.jp/~kato543/Aria/QuiLaVoceSuaSoave.htm
「ここで、あのお方の優しい声が
私を呼んでいた…でも、消えてしまった。
ここで、誠実であると彼は誓ったわ、
なのに、ひどい人、私から逃げてしまった!
ああ!もう決してここで2人が
歓喜の吐息の中で過ごすことはないのね。
ああ!私に希望を与えて下さい!
さもなくば、私を死なせて下さい。
来て下さい、愛するお方、空には月が!
あたりは何もかも沈黙し、
空に陽が昇るまでに
来て下さい、そして私の胸の上で休んで下さい。
ああ!急いで、私のアルトゥーロ、
あなたのエルヴィーラのもとに戻って下さい。
私は涙し、あなたに恋焦がれています。
愛する人よ、始めの愛に戻って来て下さい。」
なんだか切ないですね。
最後にハッピーエンドで終わることができるのが救いです。
歌合わせでどのように表現していくか、今から楽しみにしています。
Vn A.K.
2023.03.01
熱烈なファンも多い一方で「嫌いな作曲家ナンバー1」にも選ばれてしまうブルックナー。
私自身も、以前は苦手で、CDで何度聞いても好きにはなれず、敬遠してました。
そんな私がブルックナーの唯一無二の魅力に気づいたのは、今から十数年前、当時住んでいたドイツのハンブルクで、ブロムシュテット(指揮者)とハンブルク北ドイツ放送交響楽団による交響曲第4番のコンサートを聞いた時でした。一度くらいは生でブルックナーを聞いておこうくらいの気持ちで出かけたそのコンサートで、他の作曲家では体験したことのない響きと美しさに圧倒された私は、その後、生ブルックナーの感動を求めてヨーロッパ各地のコンサート情報を調べては現地に出向き、ラトル&ベルリンフィル、シャイー&ウィーンフィル、スクロバチェフスキ&ロンドンフィルなど、当時の人気コンビによる生演奏に触れて、ブルックナーの沼にハマって行きました。
そして、地元ハンブルクのアマチュアオーケストラがブルックナーを演奏することを知った私は、そのオケに入団し、古くは R.シュトラウス、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーなどもステージに立ち、ヴァント&北ドイツ放送響の黄金コンビが多くの名演を行った伝統あるホールで、ブルックナーを演奏することも出来ました。その時に演奏した交響曲第6番の、中でも第2楽章は息をのむ美しさで、私のこれまでのオケ活動の中で最も感動的な瞬間です。
さらには、生地のアンスフェルデン、青少年時代を過ごし今も彼が眠るザンクト・フローリアン、音楽家として活動したリンツ、ウィーンに残るゆかりの地を巡る聖地巡礼までしてしまいました。
写真はその時に撮影したアンスフェルデンの教会で、ブルックナーの生家はこの裏手にあります。ユニークかつ偉大な交響曲を多数残した大作曲家の特異な人生は、オーストリアの片田舎のこの小さな村から始まりました。
こうしてブルックナーは私にとって大変思い入れの強い作曲家となったわけですが、もしあの時、生演奏を聞いていなければ、その魅力に気づくことも、ドイツのオケで演奏することも、聖地巡礼することも、そして今、これほど満たされた気持ちで毎日ブルックナーを弾いていることもなかっただろうと思います。
今回演奏する第9番は、演奏時間も比較的短く、美しい旋律や印象的なスケルツォもあって、馴染みやすい曲です。
ブルックナーほどに生演奏を聞くことで印象が変わる作曲家はいない、と私は思いますので、この機会にぜひ生ブルックナーを体験して頂きたいです!
(バイオリン TI)
2023.02.26
今度浜響で演奏するブルックナー。それも最晩年作品である9番は、ブルックナーの人生のあらゆることが詰まっているのでしょう。
ということで、どんな人生だったのか、ちょっとだけググってみました。
ブルックナーがオーストリアのリンツで生まれたのは1827年。
ちょうどベートーベンが56歳で、ウィーンで第九を初演して亡くなった年。
日本では江戸時代後期で、異国船打払令が出されたあたりです。
ブルックナーは、教師の父と地主の家系の母の12人兄弟の長男でした。
が、そのうち6人が夭折してしまったそうです。
こんなあたりが敬虔なカトリック教徒だったことに影響したのでしょうか。
教師のお父さんはオルガニスト、ヴァイオリニストだったそうで、小さいころから音楽の才能が磨かれていました。
そのお父さんも12歳のときに亡くなり、修道院の寄宿学校で学んだあと、家庭の家計のことを心配して教師の道を進みました。
28歳でリンツ大聖堂のオルガニストになり、31歳から作曲の勉強を始め、39歳で交響曲1番を書き上げたそうです。
作曲家としては遅咲きです。(余談ですが、前半プログラムで取り上げるモーツアルトが35歳で亡くなりました。)
今度、浜響が演奏する交響曲9番は65歳くらいから書き始め、1896年に72歳で亡くなるまでに1,2,3のみが完成された作品です。
1896年は、オーストリア=ハンガリー帝国時代で、オリンピックが初めてアテネで開催された年。
日本では明治29年。日清戦争1894と日露戦争1904の間くらいです。
なんとなく、まじめそうな性格が垣間見えるのですが、生涯たくさんの女性にプロポーズしたけどうまくいかず生涯独身だったり、
ビールを毎晩10杯のんだとか、14個年上のワーグナーや、6個年下のブラームスとはいろいろあったとか、常人離れしてる感じもします。
とりあえず、今日はここまで。
写真はリンツ大聖堂のブルックナーの弾いたオルガンです。
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